衰退か進化か。大学アルムナイの未来を分ける鍵
大学卒業生組織を「過去の親睦団体」から「未来のパートナー」へ
ビジネスの事例に学ぶ組織変革のステップと自校の卒業生組織活性度を測る10のチェックリスト
多くの大学が直面する、卒業生組織の「次世代化」という課題
少子化の加速、競争の激化など、日本の高等教育機関を取り巻く環境は大きく変化しています。つい最近は国会でも大学の統廃合が議題に上っています。
その中で、大学が独自の強みを発揮し、持続可能な経営を行っていくための重要な鍵として、改めて注目されているのが「卒業生組織(同窓会・校友会)」の存在です。意識の高い皆様は現在の卒業生組織に対して次のようなもどかしさを感じてはいませんか?
■定例の集会やイベントに集まるメンバーが固定化・高齢化しており、20代〜40代の若手・中堅層の参加が少ない。
■活動内容が「思い出話」や「内輪の親睦」に偏りがちで、現在の大学が抱える課題(就職支援、研究資金、広報など)への貢献に結びつきにくい。
■在校生から預かった会費を原資とした寄付や記念品の授与など、従来の慣習は続いているものの、現役学生や保護者に対して、その意義や価値を十分に伝えられない。
「本当はもっと若手にも入ってほしい」「大学の力になりたい」という思いはありつつも、具体的にどう組織を動かせばいいのか分からず、結果として「大学側の働きかけが足りないのではないか」「今の若者は母校への関心が薄い」といった、周囲への不満や諦めの声(他責の傾向)が漏れてしまう……。
こうした閉塞感は、改革が進まない大学ならびに卒業生組織によく見られる傾向です。紛れもなく活性化しない大学卒業生組織が直面している「共通の壁」なのです。

ビジネス市場に学ぶ、周囲の環境を理由にする組織の限界
組織が時代の変化に取り残されていくメカニズムは、一般のビジネス市場における企業のライフサイクルと非常に親和性があります。
かつて市場を席巻しながらも、時代の変化とともに没落していった大手アパレル企業や、伝統的な家電メーカーの事例を振り返ってみましょう。彼らの多くは、EC(電子商取引)の台頭や顧客ニーズの多様化に直結する変化が起きた際、自社のサービスや構造を変えるのではなく、「最近の消費者は安さばかりを求めている」「ネット通販は商品の良さが伝わらない」といった、外部(環境や顧客)に原因を求める発言を繰り返す傾向にありました。
変化の原因を自分たち以外に求めてしまう(他責にする)組織には、ある共通のステップが存在します。
1. 過去の成功体験への固執
「昔はこのやり方で上手くいっていた」という前例を重視する。
2. 課題のすり替え
若年層が増えない原因を、自らの魅力不足ではなく「相手の意識(若者の母校愛不足など)」「本部や大学」のせいにしてしまう。
3. 行動の硬直化
自分たちで新しい挑戦をすることが難しくなり、現状を維持すること(あるいは批判をすること)が目的化する。また、実施した企画も単発で母校貢献には繋がらない。
ビジネスの世界では、市場のせいにし続けた企業は急速にシェアを失い、顧客から見放されていきました。これは大学の卒業生組織にもそのまま当てはまります。若手が参加しないのは、彼らの母校愛が薄いからではありません。
「仕事や育児で忙しい若手ビジネスパーソンにとって、その組織に参加するメリットや魅力的なコンテンツが不足しているから」という、極めてシンプルな理由であることが多いのです。まずはこの現実を真摯に受け止めることから、組織の変革は始まります。

先進大学が実践する「利他の精神」と具体的な貢献のカタチ
一方で、時代の変化にいち早く適応し、大学のブランド価値向上に爆発的な貢献をしている卒業生組織も存在します。早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、あるいは近畿大学などの校友ネットワークがその代表例です。
これらの先進的な組織に共通しているのは、集まる理由が「過去の思い出」ではなく、「これからの母校と後輩のために、自分に何ができるか」という「利他・自責」の精神で一貫している点です。彼らは単に形式的な寄付をするだけでなく、実効性の高い多角的なアクションで大学をバックアップしています。下記はその一例であり、実現には十分な基盤構築と仕組みが重要となります。
■研究や教育の質を高める「モニター・アンケート協力」
最先端の研究を進める母校に対し、幅広い世代・業界で活躍する卒業生ネットワークが即座にアンケートの回答者やモニターとして協力します。ビジネスの最前線にいる卒業生のリアルなデータは、大学の研究の質を高め、外部資金の獲得にも大きく貢献します。
■「産学連携」を推進するハブとしての機能
卒業生たちは、自身が勤務する企業や経営する会社と大学をつなぎ、共同研究や受託研究の案件を創出する「架け橋」となります。これにより、大学には新たな研究費が入り、企業にはイノベーションが生まれるという、極めて現代的で強力なサポートが可能になります。
■「生涯教育(リスキリング)」を通じた双方向の循環
大学を卒業して終わりではなく、卒業生個人が自発的に大学へ寄付を行い、大学はそれに応える形で、社会人となった卒業生へ最新の学び直しの場(生涯教育)を提供します。ここには「一方通行の支援」ではなく、互いを高め合う「双方向のパートナーシップ」が存在します。

現 状 診 断
あなたの大学は大丈夫?「活性化しない卒業生組織」10のチェック!
ここで、皆様の大学の卒業生組織が、現在どのような状態にあるかを客観的に測るためのチェックリストをご用意しました。
皆様も、ぜひチェックしてみてください。
卒業生組織の活性度チェックリスト
以下の10項目のうち、貴校の同窓会・校友会に当てはまるものはいくつありますか?
- [ ] 理事や幹部層の平均年齢が毎年上がっており、40代以下の理事がほぼいない。
- [ ] 年間の主要行事が「総会」「懇親会(飲み会)」「ゴルフコンペ」にほぼ限定されている。
- [ ] 若手の参加者が少ない理由を「最近の若者は冷めているから」と片付けがちである。
- [ ] 会議の席で「昔はこうだった」「前例がない」という発言が頻繁に出る。
- [ ] 現役学生への支援(奨学金や卒業生記念品等)の原資が、学生から自動徴収した会費に依存している。
- [ ] 卒業生個人や、卒業生が経営する企業からの「純粋な寄付金」がなかなか増えない。
- [ ] 同窓会のWEBサイトの更新頻度が低く、またはデザインが古い。
- [ ] 大学(教員・研究室)から卒業生組織に対し、アンケートや調査の協力依頼がほとんど来ない。
- [ ] 卒業生から「現在の仕事に役立つ、大学との関わり(産学連携・学び直し)」を求められたことが少ない。
- [ ] 組織を良くするためのアイデアは出るが、「誰が実務をやるのか」でいつも頓挫する。
診断結果の目安
チェックが5個以上:【危険度:中〜高】形骸化が進行しています。
過去の慣習は維持できているものの、次世代の巻き込みや大学への実質的な貢献が弱まっており、このままでは遠くない将来に組織の維持が困難になる可能性があります。早急な構造改革が必要です。
⇒解決策:ボランティアの限界を乗り越え、「外部パートナー」と共創する
チェック数が5個以上あったとしても、落胆する必要はありません。なぜなら、これまで伝統を守ってきた幹部の皆様や、限られた人数で奮闘されている事務局職員の皆様が「悪い」わけではないからです。
卒業生組織は基本的に「ボランティア精神」で成り立つ組織でありその根幹を揺るがすことはできません。日々の本業がある卒業生幹部に、現代のデジタルマーケティング(Web運用やデータ分析)をマスターしてもらうのは困難ですし、業務で多忙を極める皆様が、卒業生組織のすべての新規イベントの企画や若手向けの広報をゼロから創り上げるのは、物理的にリソースが足りません。
すべてを身内(ボランティアと身内リソース)だけでこなそうとするからこそ、「できない理由」を外に求めてしまう(他責になる)という悪循環が生まれるのです。
成果を出すために今必要なのは、「外部パートナー」を上手く活用するという選択肢です
プロフェッショナルな戦略立案、若年層に響くWEB・SNSの運用、会員データベースの効率的な管理、そしてイベントの企画・実行といった「専門的な実務」は、実績のある外部の専門会社に委託(アウトソーシング)することが世界的なスタンダードになっています。
■卒業生幹部・大学職員が集中すべきこと
「母校の発展」という共通のゴールを見据えた意思決定、人脈の提供、学内との調整。
■外部パートナーに任せるべきこと
若手を惹きつけるマーケティング、デジタル化の推進、事務局業務の効率化・代行。
外部のプロフェッショナルを巻き込むことで、「ノウハウがない」「時間が足りない」という言い訳はすべて解消されます。皆様の業務負担を大幅に軽減しながら、先進大学のような「利他精神に基づき、産学連携や研究支援で母校に貢献する組織」へと、驚くほどのスピードで生まれ変わらせることが可能です。
「過去の思い出」を語るだけの組織から、大学の「未来のイノベーション」を支える組織へ。
まずは、現在の運用を見直す小さな一歩から、私たちと一緒に始めてみませんか。
【問い合わせ】
大学同窓会の活性化・事務局DXに関するご相談はこちら
当社では、皆様の負担を軽減し、卒業生組織を「大学経営の強力なパートナー」へと変革するための伴走型支援(アウトソーシング)を行っています。「活性度チェックで5個以上当てはまった」「具体的な改善策を知りたい」という方向けに、成功事例勉強会を無料で実施可能です。お気軽にお問い合わせください。