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大学変革の分水嶺:脱現状維持バイアス

【大学経営の未来】現状維持バイアスからの脱却〜この2~3年が変革の分水嶺〜

激変する大学を取り巻く環境と、迫られる「評価軸」の転換

現在、日本の大学はかつてないほどの急激な環境変化の波に晒されています。その最大の要因の一つが、避けては通れない「少子化」の進行です。18歳人口の減少は、長らく日本の大学経営の根幹を支えてきた「学費依存」のビジネスモデルからの脱却を強く迫っています。

学費収入だけに依存し続ける限り、大学が生き残り、さらには飛躍するために必要な「財務的な成長資源」を確保することは極めて困難な時代に突入しました。

同時に、社会が大学に求める役割や「評価軸」も大きく変容しています。かつては入学時の「偏差値」や「就職率」が大学のブランド価値を決定づける絶対的な指標でしたが、現在は社会課題を解決し、新たな価値を創造する「社会実装力」へと評価の比重が急速にシフトしています。

日本が今後も国際社会で発展していくためには、大学における研究力の抜本的な向上が不可欠です。さらに、急速に進化するAI時代を乗り切れる、自律的で優秀な人材を輩出することが、これまで以上に強く社会から求められているのです。

このような激動の社会情勢において、大学経営はまさに岐路に立たされています。従来の成功体験に固執し変化を拒む大学と、時代の要請に合わせて柔軟に姿を変える大学。この両者の間には、今後わずか2〜3年の間に、決して埋めることのできない「決定的な差」が生まれるという事実から目を背けることはできません。

変革を阻む見えない壁「現状維持バイアス」の正体

頭では「変わらなければならない」と理解していても、なぜ多くの大学で改革が遅々として進まないのでしょうか。その背景には、人間の心理に深く根ざした「現状維持バイアス」という見えない壁が存在しています。

心理学的に、人間は得をするより損をしたくない気持ちが強いため、損失を回避しようとする心理が働きます。未知のものや変化を受け入れる場合、現状の安定した状態を損なうリスクがあると感じてしまうのです。

また、繰り返し触れるものに好感を持つ傾向もあるため、慣れ親しんだものから変えたくないという心理も働きます。これらの防衛本能が「現状維持バイアス」となって、組織の変革を強く阻害します。

このバイアスを克服し、変革に積極的な状態になるためには、まずリーダー自身への対策が必要です。変革をためらう場面があったら、自身が現状維持バイアスに陥っていないかを疑うことが出発点となります。

その状態を認識するためには、第三者や専門家などの客観的な意見を聞くことが有効です。次に、変革や改善を進める前に、数字など事実に基づく指標でメリットとデメリットを整理すると、客観的な判断がしやすくなります。そして何より、現状を維持し続ける問題点が見えれば、成果への期待から変革への使命感が生まれやすくなります。

ある理系単科大学の危機感と、変革への挑戦

ここで、現状維持バイアスに立ち向かい、いち早く変革の歩みを進めている大学のエピソードをご紹介します。

先日、ある理系単科大学の取り組みを伺う機会がありました。現在、データサイエンスやAIの隆盛により、世間的には「理系大学には追い風が吹いている」と見られがちです。しかし、その大学の経営陣は全く油断していませんでした。

彼らは「理系は今追い風のように見えるが、理系学部を持つ総合大学こそが真のライバルである。総合大学に勝てる理系の『独自の競争優位』を築かなければ、我々も生き残ることはできない」と強い危機感を口にされていました。この認識こそが、現状を客観視し、バイアスから脱却している証拠です。

その危機感を背景に、同大学は現在「社会人教育(リカレント教育・リスキリング)」に大変力を入れています。そして、その高度な教育プログラムを支えているのは、社会の最前線で活躍する「卒業生(アルムナイ)の実践知」と、「外部パートナー」の存在でした。

この事例が示唆するのは、大学単体のリソースだけでは限界があるということです。学内の教職員の現状維持バイアスを克服し、組織全体で変革を進めるためには、丁寧なステップが必要です。

変革には学内での合意形成が必要になるため、教職員に対して、変革の背景や目的、メリットとデメリットを伝え、変革しない場合のリスクを強調することが大切です。

また、準備を行い、優先順位を決めて段階的に進めれば、教職員の負担は少なく協力がしやすくなります。さらに、一方的な説明で終えるのではなく、教職員の視点に立ち、質問を聞くなど対話の機会を設けて不安・不満を解消することも意識したいところです。そして、教職員が協力的・主体的に関われるよう、自身の業務への変革の影響を考えてもらうことで当事者意識が芽生え、必要性を認識しやすくなります。

ステークホルダーを味方につけ、外部パートナーと描く未来

学内の合意形成を図り、大学を真の変革へと導くための最大の鍵は、「ステークホルダーを味方につけること」に他なりません。卒業生、保護者、地域社会、そして協働する企業。彼らと課題解決のビジョンを共有し、一体となった支援環境を構築できた大学だけが、これからの時代を生き抜くことができます。

しかし、閉鎖的になりがちな大学組織の内部だけで、急激な意識改革やステークホルダーの巻き込みを行うのは至難の業です。ここで最も重要となるのが、最重要事項として挙げられる「リソースとノウハウの不足をカバーし改革実現に寄り添う外部パートナーと組む」という決断です。

当社は、ブランディングとマーケティングの双方の視点から、学校の経営課題を解決するプロフェッショナルです。卒業生ネットワークの活性化や、社会実装力を高めるための企業連携など、未来への人材を育成する学校を中心とした新しい支援環境の構築をサポートいたします。

現状維持バイアスという殻を破り、2〜3年後の未来に「選ばれる大学」となるために、専門的なノウハウと客観的な視点を持つ私たちSCNSを、変革のための強力な外部パートナーとしてぜひご活用ください。

【おまけ】あなたの大学は大丈夫?「現状維持バイアス」危険度チェックリスト

変革の第一歩は、現状を正しく認識することから始まります。貴学の組織体制やご自身の思考プロセスについて、以下のチェックリストをご確認ください。

[ ] 変化をためらう場面があったら、自身が現状維持バイアスに陥っていないかを疑っている

[ ] バイアスを認識するために、第三者や専門家などの客観的な意見を聞く機会を設けている

[ ] 変革のメリットとデメリットを、数字など事実に基づく指標で整理し比較している

[ ] 組織や業務の課題を把握し、現状を維持し続けることの問題点を明確にしている

[ ] 教職員に対して、変革しない場合のリスクを含め、変革の背景や目的を周知している

[ ] 変革や改善を進める上で、優先順位を決めて段階的に進めることで教職員の負担を減らしている

[ ] 一方的な説明ではなく、教職員の視点に立ち対話する機会を設けて不安を解消している

[ ] 教職員自身に業務への変革の影響を考えてもらい、当事者意識を持たせている

[ ] リソースとノウハウの不足をカバーし、改革実現に寄り添う外部パートナーと組んでいる

8個以上実施していれば危険領域を抜け出していると想定されますが、それ以下の場合、無意識のうちに現状維持バイアスが組織の成長を止めている可能性があります。お悩みの際は、ぜひSCNSまでお気軽にご相談ください。

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