寄付金集め、それ、本当にあなたの仕事?
サポーターづくりで悩んでいませんか?
母校への賛同・共感の証である「寄付金」
この寄付金に協力してくれるサポーター(卒業生等)の獲得は、どこの学校でも悩みの種ですよね。
さしたる理由もなく、いきなり熱狂的なファンになってくれる卒業生など、そうそういないでしょう。
でも、例えば「駅伝出場が決まった!」など、何か応援してもいいなと思えるきっかけがあれば話は別。
こうしたきっかけを提供するコミュニケーション基盤の構築がまず重要なのは、言うまでもありません。
でもそれって、本当に募金担当部署だけの仕事なのでしょうか?
長期で愛される店の取り組みはどこが違うのか?
一旦、身近なところに視点を落としてみます。
長い間馴染み客が通い続ける繁盛店には、共通した取り組みと特徴があります。
こうした店は、さまざまなアイディアを打ち出しているというよりも、「お客様が何を求めているのか?何にお金を払っているのか?」を常に探し続けています。
ホッとする時間?品揃え?相談のしやすさ?・・・・
そこには、顧客の行動と考え方に目を向け続けている取り組みや習慣があります。
このような取り組みを続ける店には、「友が友を呼ぶ」、親しい人にも同じ喜びや共感を与えたい人々によって、さらにファンが増えるという特徴があるのです。
では、自分のところも同じような取り組みをすれば、ファンが定着するのか?
もちろん他社の施策を真似することも大事・・・なのですが、それだけではお客様の心を掴むことはできないでしょう。
どんな材料が必要か?
まずは母校に対する関心・興味のきっかけづくりが重要なのは理解できましたね?
でも、卒業してからさほど年月が経っていない人でさえ、理事長や学長が誰かすら覚えておらず、母校から何か案内が来ても、「偉い人が何か言っている」程度にしか受け取られないケースも少なくありません。
そのくらい、母校に対する関心が薄いということ。
では、卒業生はいったい何に興味を持ってくれるのでしょうか?
以下の図をご覧ください。
弊社が考える学校への興味・関心を醸成する材料のフレームワークです。
「誇り」「仲間意識」「ノスタルジー」「有益情報」「福利厚生」の5つの枠組みで、「共感を呼び起こす情報発信」を促す方法です。
例えば、【誇り】の部分なら「〇〇大会で優勝した」など、母校に対する誇りをもたらすニュースが良い材料です。
こうした情報は広報部門が提供できます。
【有益情報】なら、「転職して成功した先輩の話」や「女性ならではの苦労をした先輩の話」など、若い卒業生の興味を引く話があるはずです。
就職支援部門や同窓会・校友会に協力を求めると良いでしょう。
勤務先業種に役立つ研究材料は、学務部門や教授・先生方にお願いすることが可能です。
【ノスタルジー】なら人事部門に協力して貰いましょう。お世話になった教職員の退職情報が最適です。
【福利厚生】なら、転職や婚活紹介を始め多くの仕組みがあります。大学施設の利用方法や証明書の発行手続き等は募金部門や教務部門・施設部門から情報を入手できます。
これらの情報発信に、経営戦略部門の掲げるビジョンや計画を織り交ぜながら、学内が連携・協力してファンづくりを始めるのです。
我々がお手伝いしている学校様では、募金・寄付は「学校ブランドのバロメーター」「学校に対する賛同・共感の指標」と呼んでいます。
まずはこうした学内一致の状態づくりこそ、学校ファンを増やしていく第一歩ではないでしょうか?
学内の連携方法については、また別の機会にお伝えします。
執筆者:河田 勝之