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母校の卒業生組織はどのタイプ?

脚光を浴びるデジタル人材とデジタル化を拒む高齢化卒業生組織

ウクライナでは戦火にもかかわらず、衛星通信を駆使したSNS戦略で全世界に情報を発信し続けるミハイロ・フェドロフデジタル相。従来TV中心であった情報ネットワークによるプロパガンダは大変な苦戦を強いられています。

デジタル人材の活躍といえば、台湾のコロナ対策で脚光を浴びたデジタル大臣オードリー・タン氏や、以前もブログで紹介したタクシー配車&決済アプリ「GO」もやはりデジタル人材が挙げられます。

2022年の年初に実施された経団連アンケート調査を利用した高等教育機関に対する要望では、20~30代はコミュニケーション力とDXスキル不足が挙げられ、40代~50代には圧倒的にDXスキル不足が訴えられていました。

では60代以上は?というと、超高齢化社会で「私はスマホが使えません」「どうもITは苦手」と言われる方が多く、卒業生組織も例外ではありません。卒業生組織の幹部の大半は60代後半以上。この方々の判断一つでデジタル化が進む組織と古式ゆかしき若手が入りにくい組織に分かれてしまっているのが実態のようです。

ワクチン4回目はデジタル申請を宣言され、ガラケーの機種はほとんどなくなり、スマホ化を余儀なくされる中、脳内活性の視点から慣れて頂くのも得策ではないでしょうか?豊中市の「かがやき大賞」受賞、「世界最高齢の総務部員」としてギネス認定された玉置さん91歳は、今でもエクセルを駆使して仕事をしているのですから。

参考 Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=2UxcBOHH18w

進化と停滞がはっきりする卒業生組織

大半の大学卒業生組織における「会の目的」には、卒業生の親睦と母校の発展への寄与が謳われています。しかし、その配分は千差万別であり、何が正しいというわけではありませんが、少なくとも大学を卒業した方々が集まる代表組織として、大学に会費の代理収納ならびに卒業生情報の共有を依頼している関係であれば、母校支援が中心となってくるのではないでしょうか?

ここ数年、卒業生組織も会の存在意義を見直し大きく変貌しているように見えます。非営利ボランティア組織として、母校の発展に寄与する事業を中心に活動することで、より多くの卒業生の絆が産まれる好循環を見出す先進的な組織への変貌が目立つようになっているのではないでしょうか。

例えば母校への寄付についてですが、従来は在校生から代理収納した会費から母校への寄付が捻出されるケースが多かったようですが、寄付は卒業生個人(或いは法人)が行うものとして、貢献のスタイルにも変化が出ています。この点は機会があれば別途お話ししたいと思います。

参考までに、進化する先進的な組織傾向と古典的な組織傾向を下記表にまとめてみました。

何故卒業生組織の進化が求められるのか?

卒業生組織の事業活動に何らかの形で参加する人は、実は卒業生の2~3%しかいないのが実態のようです。某大学の卒業生組織で会報誌が本人に届いているか?届いているとして会報誌を読んでいるか?について、サンプリング調査をした結果、実際に中身を読んで記事を覚えている方は1割しかいなかったケースもあります。組織にもよるかもしれませんが、絆は大変細いケースが多々あります。

一方、大学においては少子化の環境は言うまでもなく、社会変化に対する教育の質が問われ、私立は学費収入への依存度が高いこと(国立といえども国からの補助も簡単には増えません)、新たな収益として寄付金、産学連携による研究費獲得、更に人生100年時代における生涯教育への本格参入など経営の難しさが顕在化しています。

そうした環境の中、大学にとって卒業生は大切なステークホルダーであり、卒業生にとっては母校愛を基盤として母校支援や在校生支援が自己研鑽となる関係が求められているのだと思います。

母校が好きですか?と聞かれて即答できない方でも、母校が発展して卒業生であることを誇りたいと思いますか?と聞くと大半の方は「YES」ではないでしょうか。

どうやら、少子高齢化、ICTの加速度的進歩、そしてVUCAの時代で卒業生組織の在り方も大きく舵を切っているようです。

新たな時代の卒業生組織について課題をお持ちの方は、是非遠慮なくご相談ください。