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AI時代に相応しい卒業生組織

Z世代を理解する

Z世代に明確な定義はないですが、社会人でいうと凡そ20代を指し、30~40歳代をY世代と考えてよいでしょうし、「ゆとり世代」と言われるY世代も学生時代にインターネットが普及し、バブル崩壊も経験したことから「モノ=消費」よりも「コト=体験」を重視する世代です。ただし所謂中堅層であるY世代も中間管理職経験から、Z世代を理解できるバランスを持ち合わせているようです。

この20代~40代が卒業生組織にそっぽを向き、多くの卒業生組織が定年後の暇な人が集まる組織と思われているのですから一大事なのです。Z世代は、デジタル化により情報が迅速に、かつ複数と同時共有できる環境に慣れていること、更に東日本大震災やコロナ禍を経験し「今そこでしか味わえない体験を大切にする「トキ」消費を重視していると分析されます。

このZ世代は社会人になって企業や組織に求めているのは、以下の5つに集約されるのではないでしょうか。

①楽しい(トキを重視しエンジョイできる) 

②柔軟・ゆるやか・多様性の尊重(堅苦しいのは無駄、縦社会はご免)

③ステップアップ出来る(その場で成長が可能)

④テクノロジーの活用(今更アナログは勘弁してほしい)

⑤社会的に意義がある

この世代にとって、集まって飲み食いして昔話を聞かされる、母校に貢献するでもなく偉そうに母校批判をする、更に対面至上主義の卒業生組織だとしたら、参画するわけがないのです。まして時間通りに終わらない会合は「タイパ(時間効率)最悪!」と思っているのです。

AI時代に必要な能力とは(これ大事!)

組織の社会的意義が活動に現れており、参加することで成長できるのであれば若年層は集まるのです。最近、多くの大学生が「子ども食堂」を運営したり、街の清掃活動を行ったり、マラソンボランティアなど社会貢献している姿はよく見かけます。

そこで今AI時代に必要とされる能力について敢えて説明させてください。

①マネージメント能力(管理する意味ではないです!)

勤怠管理や資材管理などはここ数年で全てAIが代替します。ここで言う管理とは、メンバーの成長を支援する「成長のマネージメント」であり、メンタルを支える「心のマネージメント」なのです。すなわち、コーチング的能力やカウンセリング的能力が必要となります。

もうお気づきかもしれませんが、在学生メンターや後輩社会人の指導などはまさに社会的意義があり、スキルアップもできる企画になります。

②ホスピタリティ能力(寄り添う力)

言語的コミュニケーションは既にAIが十分代替できるレベルになりつつあります。しかし、この人は何を考えているのか、顔つきやちょっとした仕草等から相手の無言の声に耳を傾ける「非言語コミュニケーション」はAIでは無理なのです。やたら問題指摘だけを行い批判して我が物顔をしている卒業生組織の方がいるとすれば、若年層に軽蔑されるだけでなく、間違いなくこの先、生き残れなくなるのです。

③クリエイティビティ能力(創造力)

AIにはイノベーションは起こせないと言われています。でも「天才でもなければ高度な創造性を発揮できないのでは?」との声も聴きます。実は、ヒット商品の大半は、お客様の声に耳を傾け、その中から今までにない視点を発見して商品化しているのを皆さんはご存知通りです。

つまりこれからの時代では創造性は「集団の中の集合知を活性化させ、その集団から新たなアイデアやコンセプトを見出す能力」によって見出されるのです。つまり高度なファシリテーション能力なのです。

卒業生組織はAI時代に必要な能力を引き出せる!

賢明な皆さんは、AI時代に必要な能力が卒業生組織に参画することで備わっていく意味をご理解されたと思います。

某大学の校友会では、「真面目な雑談」と称して若年層から高齢者まで含めたテーマを絞ったオフサイトミーティングを開始しています。そこには、ボランティア組織としての会目的を参加者に理解いただき、相互に尊重し合うホスピタリティ能力が醸成される仕組みを作りあげています。

そして、この真面目な雑談は卒業生組織が活性化する為の多くのヒントを生み出し、実践知+集合知によって、確実な進化を遂げています。

初年度は専門のファシリテーターに見本を見せてもらいますが、今後参加者を卒業生組織のサポーターとして認定し、その方々が創造力を生み出す名ファシリテーターに変遷していくとともに、会に若手が参画し母校の専門知と実践知を合わせた企画がどんどん飛び出してくるのです。

テーマは、高齢化社会であれば、大学の高齢化社会を研究する教授も交え、長寿社会の薬品を研究する人、介護機器の製造を行う人、健康食材レストランの経営者或いは行政で福祉を担う人などあらゆる分野の方々が任意に参加し、新たな知=創造を実践し、母校は研究に、参加者は自らの持ち場に貢献していくのです。現役を引退した高齢者もモニターを買って出てくれるのです。

この循環こそが卒業生組織が活性化し、参加者は進化し、母校の発展にも寄与してくるのです。新たな時代に母校愛に満ち貢献することで自らも進化する人達の集団が、これからの卒業生組織ではないでしょうか。具体的な仕組みづくりにご興味がある方は遠慮なくご相談ください。