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組織が活性化しないのは何故?

いきなりですが・・・ゼロックスはコピー機を作ったのではない?

かの有名な経営学者ピータードラッカーが、世にコピー機を送り出したゼロックスについて「ゼロックスはコピー機を作ったのではない。コミュニケーションを改革したのだ」と言ったそうです。

私の大学時代にはモノクロコピーしかありませんでしたが、当時は時間が経つと色が変わる感熱紙みたいなものが主流で、テストが近くなるとコピー屋さんに並び、友達から借りたノートをコピーして試験に臨んだものです。友達には感謝しかありませんが、体育会出身の割にはまあまあの成績を収められたのもこのコピー機のお陰かも知れません。

話はそれましたが、確かに今でこそITによってコピー以外での情報共有が主流になりましたが、コピーという仕組みがなければ重要な情報が多くの人に共有されることもなく、ドラッカーの言うコミュニケーション=共有は進まなかったのかも知れません。

コミュニケーションとは共有

コミュニケーションの語源はラテン語の「communis」で、共通・共有の意味だそうです。つまりコミュニケーションとは、「伝える」だけではなく何かを「共有」する為のプロセスということになります。目的を共有する、方法を共有する、ノウハウを共有する、それらすべての始まりがコミュニケーションという訳です。

このコミュニケーションで大切なのは、「共有」することですから、共有したい相手がその先へ共有してくれないと意味がなく、「うちはきちんと毎週状況を通達している」「いつでも情報が見られるようにしている」と一方通行な伝達だったとしたらコミュニケーションが成り立っている状態とは言えません。つまり、コミュニケーションは双方向じゃないと共有も始まらないケースが大半なのです。

「共感」からスタートするコミュニケーションが組織を活性化する

組織の生産性を上げる際によく使われる理論として、「失敗の本質」の著者で知られる一橋大学名誉教授の野中郁二郎先生が唱えたSECIモデル(組織的知識創造理論)があります。この理論では、最初に実施する「共同化=直接体験等の共有」において、共感によるコミュニケーションが重要だと解説されていますが、思い当たることが多いのではないでしょうか?

「なんでこんなことが進まないのか」と壁にぶち当たった組織長が、他組織と胸襟を開いて話し合い、「こうしてやれば結構うまくいく」「それはこんな失敗から得たものだ」「失敗しても・・・」など様々な意見とともに「共感」が生まれた瞬間から、自組織が動き出すなんてことは良くあることだと思います。


引用:Hello,coaching  組織で「知」を生み出すための起点は、「共感」をベースにした「対話」より

今お手伝いしている大学の方々も、最初は口を揃えて「うちの卒業生からは、なかなか寄付金が集まらない」「企業の経営者もたくさんいるんだが、産学連携の申し出が少ないんだ」とこぼされます。そして次には「母校愛の持ち方一つとってもどこかの大学とは違うし」・・・と問題のほとんどが組織内コミュニケーションの欠落で起きていることをきちんと認識されていないケースが多いようです。

ITがこれだけ身近になった今、コミュニケーションの仕組みは容易になっています。もしお困りでしたらお気軽にご相談ください。