HOME記事一覧現役世代が参画しないアルムナイ

BLOG

現役世代が参画しないアルムナイ

組織の高齢化が問題ではないのです

日本国内共通して高齢化しています。特に地方では少子高齢化が著しく、大半の校友会・同窓会で集まりの集合写真を見ると若年層の少なさが目立つものです。

当たり前なのですが、若年層を含む現役世代、特に今回フォーカスするミレニアル世代=20代後半~40代前半=で考えてみると、この世代は、キャリアの中核を担い始めると同時に、結婚・出産・育児といったライフイベントが集中する多忙な時期にあります。効率性と実利を重視し、無駄な時間を嫌う傾向があります。

ですからリアルで集まる場への参画が少ないのは当然として、問題なのは、この世代が参画しているか否かなのです。その世代の参画(しつこいようですがリアルイベントの参画を指していません)が少ないことが問題なのです。

彼らにとって卒業生組織は、「時間は取られるが、見返りが不明確な集まり」と映りがちです。

まずミレニアル世代を知る

2000年以降に成人・社会人になったことに由来するミレニアル世代。この世代はデジタル技術の進化とともに成長した「デジタルネイティブ」世代であり、インターネットやスマートフォン、SNSを駆使して育ちました。

更に成長=「キャリアを一段上げる」、自由=「参加しやすい」に重きをおいています。

一方、 幼い頃に大きな災害を経験したり、社会貢献教育を受けたりした影響もあり、社会貢献への意識が高い世代とされています。企業選びの基準にも企業の社会的責任(CSR)や環境問題への配慮が重視される傾向があり、仕事を通じて社会課題の解決に貢献できることにやりがいを感じる特徴があります。ですから、参画意義がきちんと示せれば、ボランティア意識があるこの世代は参画してくれるのです。

そこで、卒業生組織の事業は、「時間はとられるが参加の意義が見いだせない」と感じられることが無いようにすれば良いのです。

異業種交流会でなどで質の高いWeb中心のネットワーキングで人脈が出来る、他の実践知が共有できる、専門性が高い学び直しが出来る、メンターとして無理なく貢献できるなどが、この世代には特に訴求します。

現役世代参画に向けた視点の転換

シニア層の価値観である「旧友との再会」「帰属意識の確認」「母校への恩返し」が全面に出すぎると乖離が始まります。母校に貢献したいとの気持ちは大切ですし、ミレニアル世代にも十分理解されるのですが、母校貢献を通じて自らも成長する仕組み化が必要なのです。

その上で代表的な発想転換の視点は、以下の3点かと思います。

1.セグメント・マーケティング

全世代が共通した一律の情報提供、例えば紙の会報誌などがそれに当たります。某大学アルムナイのアンケートで、紙の会報誌が届いた方への電話アンケートを実施したことがありますが、現役世代に「記憶に残った記事は何ですか」とお聞きしたところ、5%未満(誤差率10%)でしか覚えておられませんでした。

勿論、送付する内容にもよるのでしょうが、そのアルムナイは会長挨拶、大学理事長、学長コメント、各支部の活動状況、卒業生の近況報告等残念ながら現役世代に刺さる内容ではなかったようでした。

デジタル化の推進度合いにもよりますが、世代別、関心毎別に情報発信できる時代ですので、まず現役世代専用に情報発信からトライすることをお勧めします。

2.Value First

まず現役世代が感じる価値(ビジネス上有効な人脈、キャリア支援、スキルアップ等)を、母校貢献と重ね合わせた提供を考えてみてください。例えば業種のネットワークに参加することにより、大学の専門知を持つ教授にも参画頂き、専門知と実践知が融合する経験を得るなどの取り組みです。

3.Light Engagement(ゆるやかな関わり)

参加したら支部の仕事をやらされると警戒する現役世代が多く存在します。出来ることから参画してもらう工夫が大切です。SNSの投稿をシェアするだけでもいいのです。ゆるやかな関わりから将来のコアメンバーを育てることが大切です。

ただし、上記を卒業生組織内ですべて対応するのではなく、現実的には大学市場を理解したアウトソーシング先とパートナーを組む必要があると思います。

次の世代を考え、貴方の組織を進化させたいのであれば是非お気軽にご相談ください。