伝える、そして共感を生む
一刻を争う対応に感謝
キャンパスの入構禁止、オンライン授業への対応、学生への特別支援金・・・次々と大学から学生支援の姿勢が打ち出され、緊急事態宣言解除以降は、オンライン授業を継続しながらも、条件付きでの授業や実験、部活動の一部が再開しつつあります。行政も大学に頼りながらですが、アルバイトがなくなった学生や留学生にも支援を拡大しています。そして、大半の大学では、この事態に対応する為の募金活動にも着手するなど、この3か月間、修業、就職、財務、精神ケアの各方面で未曽有の対応を迫られた大学で働くみなさんのご苦労に頭が下がる思いです。それも全て「学生の安全第一。退学者を出してはいけない。勉強が継続できるようにするのが我々の務め」との想いに支えられてのことと思います。
コロナ環境で差が出る情宣力
先月下旬、有数の伝播者YouTuberのヒカキンさんがYahooと組んで医療従事者支援募金を開始し、初日に1億円突破、即座に3万人以上が賛同したことは記憶に新しいと思います。(6月1日現在3億4千万円超、20万人以上賛同。ちなみに驚くべきは登録者の年代層は幼稚園、小学生の子供を持つ親~推定20代後半から40代が多い!)
このこと自体は、確かにヒカキンさんと言う影響力が大きい方の力であることは否定できません。「大学では無理」と言われる気持ちもわからないではありません。ただ、ここで着目すべきは2点あるのではないでしょうか。
ヒカキンさんは高校卒業後の2006年新潟から上京し、現在4つのチャンネルで1130万人のチャンネル登録者数を有するまでに10年以上の時と工夫を積み重ねていることが重要になってきます。
- 着実に支持者を増やしていった事実。
- 瞬時に伝わるインターネットの世界であること。
まさに千里の道も一歩からだと思います。
参考:開始初日に1億円突破(https://www.youtube.com/watch?v=X-Syv5upkKQ)
ヤフーは5月21日、同社が運営するYahoo!基金とYouTuberのHIKAKINさんが共同で、新型コロナウイルス感染症に対応している医療従事者を支援する募金窓口「命を守る人を支えたい コロナ医療支援募金」を開設したと発表した。
大学のコロナ対応緊急募金
5月末時点で多くの大学がHP上に在校生の支援を中心としたコロナ対応募金を開始しており、結果はこれから着実に上がってくるものと思います。
一方、同じ寄付でも周年事業やキャンパス新設など、これまでも寄付を募ってきたけど、想定以下の寄付しか集まらなかったお話を伺います。
「うちの学校は今一つ母校への想いが弱くて」「今のご時世、寄付を出す余裕はない」「結局教職員、取引先、卒業生や保護者団体からの大口で帳尻合わせるしかない」などの声をよく耳にしましたが、1つ言うなら、信頼関係から共感が生まれていないと寄付には繋がりません。
先ほどのヒカキンを例にすると、普段よく見ている=面白い=ファンになるという式が出来上がっていて、ファンをうまく醸成している。だからいざというときのお願いにファンもすぐに答えるわけです。
つまり、自分には関係がないと思われていたり、つながりが薄い場合、急に何かを頼んでも気持ちは伝わりにくいのです。
毎日家族団らんの夕食時に、幼稚園のお子さんが楽しみにしているヒカキンのYouTubeを見る。そこで大好きなヒカキンが寄付を訴える。子供の手前、素晴らしいことだと説明する親。今、クレジットカードですぐにできるし、良いことを見せたい親が寄付をする。そんな光景が目に浮かぶはずです。
伝播力の基盤構築
想いを伝えるにはテクニックやスキルも重要ですが、一番大事なのは伝えたい人に瞬時に伝える基盤があるかどうかです。
大学の募金では、不特定多数の方を対象としても効率が悪いと思います。在校生の保護者、卒業生、地域連携等で支持者となっている地域の方々・・・・・それらの方々に瞬時に伝える基盤が大事だと思います。
SNSも確かに重要な武器ですが、今在宅勤務でリモートワークやオンライン会議に参加している方々の鍵はメールアドレスです。今回のコロナ対応で東京都の感染者数集計が誤っており、その原因が古式ゆかしきFAXの手作業だったと海外からの失笑されたことは記憶に新しいと思います。また、電車の車内でスマホを見ていない人を探すのに苦労するほどなのが現状です。
瞬時に思いを伝えるには、インターネットを使い、メールでまず情報を発信する基盤があることが最初の一歩ではないでしょうか。
基盤の構築方法や関係強化の方法はまた別の機会に。
実務面でのご相談は遠慮なくご連絡ください。