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準備できてますか?説明責任

コロナ対応に腐心する大学 

緊急事態宣言解除後、7月に入りや否や東京都の感染者数は三桁に突入しました。正直予測通りと言う方もいれば、まさかと思う方もおられ、未だに原因を正確に把握できていない中で共存するしかない状況かも知れません。

各大学とも現在の状況を分かり易く明示し「現在はレベル2なので・・」と授業・研究・学生支援・入構・課外活動・施設利用・会議方法等を示して対応に腐心されています。HPを横並びに見ると、新型コロナウイルス感染症警戒緊急対策本部を立ち上げて組織対応体制を明確にしている大学から、学長が陣頭指揮をとられるなどの組織体制、そして対応に関して学生中心か大学のステークホルダー全体かなど伝達する相手と手段、伝達内容の具体性などに少しずつ差が出始めているように見受けられます。

コロナ対応において現時点で間違いなくわかっていることは、「大学内でコロナ感染の発生を100%防ぐことは出来ない。」ことです。では、どこまで何をすればよいのかを考えてみます。

昨年7月1日鳴り物入りで導入されたセブンイレブンのセブンペイは、不正利用が多発し僅か2ヵ月で撤退をします。その時に、大炎上した一因が「二段階認証うんぬん発言」でした。システムの脆弱性もさることながら、当事者TOPが説明できない状況に、世間は一斉に不安を感じたのです。

謝罪会見に登壇した株式会社7payの小林強社長が記者から、ユーザー登録時に二段階認証をしているサービスがほとんどなのに、なぜ7payではやっていないのかと素朴な質問を投げかけられたところ、「二段階認証……」と言葉に詰まってしまいました。その後、慌てて、「7payはセブン-イレブンアプリと連携しているので、二段階うんぬんと同じ土俵に比べられるのか、私自身は認識しておりません」と苦しい答えをひねり出します。

本件も直接被害額は3000万強と言われていますが、キャッシュレス化を推進する中での逸失利益、信用回復までのロスはその10数倍になると思われます。

お気づきの通り、過去のリスク対応においては、直接損害で倒産した企業は殆ど無く、信用失墜、間接損害で大打撃を被ったのも、「リスクを想定し説明責任を果たせる状態まで努力している」ことを示せなかったから・・ではないでしょうか。

説明責任とコンプライアンス基準とは 

コロナの感染を100%防ぐことは事実上困難だというのは世間でも理解されると思います。では、その予防に対して何を想定して、どんな取り組みをしてきたのかを、どのように説明したら良いのでしょうか?

仮に授業を再開し、空気も循環にも配慮した実験室で密にならないように配慮して研究を開始したとします。そこでクラスターが発生した場合に、事前の注意喚起、伝達の方法、教授陣への教育体制、参加の際の確認方法、教育開始時の注意、事故発生後の感染経路確認方法、濃厚接触者への指示、施設の消毒などに対して、「感染予防の観点で当学はこのようにしており、再発防止の為に原因の更なる確認と現段階で〇〇の予防対策を講じます」と説明できるか?が鍵になるのではないでしょうか?

ここでのポイントは「何処までやるのか?」です。つまり、「文科省の指示に従っています」とか、「国の感染対策基準に沿っています」で世間が満足するか?のバーを議論の上決め、その過程と徹底する為に何をしてきたか?が重要となります。

この基準はまさにコンプライアンス基準の策定と同様かと思います。コンプライアンス=法令遵守と答える組織は現在なく、「世間の常識に照らし合わせて正しい行動を行う事」が一般的な考え方となっている現在、保護者、受験生、近隣住民、卒業生など大学のステークホルダーが納得するレベルが世間の常識基準になっています。

今だからこそ迅速なコミュニケーションネットワークの構築が大

リスク管理の際に意外と見落としがちなのが、情報の伝達方法です。HPを必ず見るか?在校生や興味ある受験生はHPを見ていますが、他の支援者が見ていることは大変少ないようです。緊急募金をHPにアップしたが中々集まらないとの声を耳にします。

今後はリスク対応の視点からも、在校生だけでなく「大学のステークホルダーへのコミュニケーションネットワーク構築」が重要な鍵になってくると思います。

この点にご興味があれば、是非ご連絡ください。メールをお待ちしています。