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停滞する組織傾向「曖昧表現の乱発」?

残念な会議体

大学や卒業生組織の方と打ち合わせを実施していると、ちょっと残念な場面に遭遇します。会議の終了後に「あれ?結局今日は何が決まったんだろうか?」「この打ち合わせで次回誰が何をするのか決まったのだろうか?」というケース。そのような会議体でよく聞こえてくるのが「一応・・・・」「引き続き検討したいと思います」「出来る限り善処したいと思います」というコメントや、国会議論のような聞いていてイラっとする「代案の無い批判」や「攻撃的な問題指摘」など。

議論することはとても大事なことですので、「議論が足りない」という声は一見正論に聞こえますが、誰が何をどこまで進めるのか?といったことを決めないまま会議が進むこと、その発言の裏にある「自分の意見が通らない」「代替案が出せない」といったことなどが原因であるケースが多いのは気のせいでしょうか?

コスト対効果、コストに最大要因は時間

形式化した会議体が時間の無駄であることは言うまでもありませんし、コロナ禍の影響も重なって予想しえない事態が続く為に中々物事が進まないこともあるかもしれません。しかし、どんな事態でも永続的な発展が至上命題である今日、柔軟な対応やコスト対効果を常に追求していく(営利企業だけではございません)ことが求められています。その中で、最も大きいコストが「時間」であることが忘れられていることもあるようです。直接的には人件費等に大きく影響を与えますし、組織文化を停滞させると共に何よりも機会喪失の原因になります。

例えば、ある大学が「いの一番」にAIを駆使したビジネス活用も学べる文系学部を作ったとすれば、先駆けてAIのビジネス利用に反応した大学として評価されるでしょうし、二番煎じは最初に作った大学よりも特徴を前面に出す工夫が求められるかもしれません。実際に教育成果が出るのは、卒業生の活躍後ですが、先駆けて取り組む姿勢自体に評価は上がってくるもと思います(勿論中身が重要なことは言うまでもありません)。

時間を有効化する明確発言習慣

卒業生組織の中には活動内容に対し「ボランティア」だから・・・と言われる方がいらっしゃいますが、ボランティア活動を真剣に取り組んでいらっしゃる方々は、活動内容に共感してくれる方を増やすために、時間効率に最大限配慮しながら、共感者、実際に協力してくれる支持者を増やすための仕組み構築に腐心されています。当前ながら賛同して支持してくれる方に無駄働きをさせるわけにはいきませんから、大変効率的な運用を意識しながら活動しているようです。

さて曖昧発言を明確発言にするのは、リーダーの方が事例を挙げてご説明し、「次回から私も明確な発言を心掛ける」と言われるだけで結構進むようです。

「検討する」であれば、

①「今情報がないので判断できない」
判断する為には他の事例、現在想定されるメリデメを、〇〇さんがリーダーとなって〇月末までにまとめてくれ、その際に答申という形で発表した上で、その場で意見を出し結論を出そう。

②「問題を先送りする」
今の優先事項は〇〇と××なので、それが片付いてからでも問題はないと思うがどうだろうか?

③「やる気がない」「どうもピンとこない」
本件に対して、採用した場合のケースイメージが思いつかない。ついては、次回〇月〇日までに提案者から、具体的に本企画を採用した場合のシミュレーションを10分で説明してもらい、参加者から効果のシーンが想像できるかどうか判断してもらってはどうか?

等々事例を示し、問題を先送りしない、判断の理由を述べる習慣や意識が時間コストを削減するのでは?

現在、思うように支持者が拡大していかない、支持者が活性化しないなどの問題がある場合、会議の発言に耳を傾けてみるのも良いかもしれません。

また、組織活性化、支持者拡大へのノウハウやスキルなどにお困りの場合は遠慮なくご相談ください。