HOME記事一覧熱狂的支持者獲得に必要な独自性

BLOG

熱狂的支持者獲得に必要な独自性

卒業生の価値とは

やや専門的な話になりますが、昔は様々な組織が顧客に対して一生懸命宣伝をしていました。今でもその傾向は強く、パレートの法則(ビジネスで利用される時は顧客全体の2割である優良顧客が売り上げの8割を占める)ではありませんが、熱狂的な支持者=ファン=化によって、組織には大変なメリットが生まれます。

ある意味、単に卒業した方が財産なのではなく、大学にとっても卒業生組織にとっても、どれだけ熱狂的な支持者が存在するかで財産価値は大きく変わってくると言えます。それこそ全卒業生を支持者化できれば良いのですが、現実的には熱狂的な支持者が20%いれば、その卒業生組織や大学は凄い連携パワーを持つことになるのです。

改めて卒業生の財産価値を整理すると、熱狂的な支持者が寄付に代表される「経済価値」は当然として、大学や卒業生組織がどの方向に進めばよいかの示唆を得る「顧客理解価値」が挙げられます。

これは社会に出た際に、今では常識化しつつありますが、若年層のコミュニケーション不足や定量分析力不足が実社会で課題となっている部分が否めないものの、熱狂的な支持をしてくれる卒業生とのコミュニケーションは、いち早く教育に必要な分野に示唆を与えてくれます。これはリカレント教育で社会人市場を開拓する大学にとって貴重な情報です。

また、研究分野でも教育分野でも実践知はとても有効であり、実社会の英知を持つ卒業生が講師として教育に協力し、自らが所属する組織と大学の産学連携に協力してくれます。最近では、研究のためのモニターを卒業生ボランティアが買って出てくれる大学も出始めていますが、これがまさに「共創価値」となります。

そして受験生増に直結する口コミマーケティングの実践者としての「影響価値」などが代表的な価値であり、他にも大学や卒業生組織のコミュニケーション方法を見直す「効率的コミュニケーションリデザイン価値」などが挙げられます。

卒業生は潜在的熱狂的な支持者の山なんです

一般企業では、顧客の熱狂的な支持者化には相当な苦労があります。高濃度リコピントマトジュースを発売し健康市場で躍進する熱狂的なファン化に成功したカゴメは、お客様ネットワークづくりに相当な苦労を経ています。今や18万人以上ほぼ100%のファン株主(個人株主)に支えられる超優良企業になっていることは以前にもお伝えしました。

https://scns.co.jp/blog/blog027/#123995

一般企業で顧客を熱狂的な支持者にするのは大変ですが、大学はそうではないのです。「本当?」と思われる方がいらっしゃいましたら証明しますのでご連絡ください。実は、卒業生の70~80%は「自分が卒業した大学を誇りに思いたい」と思っているのです。そうです。つまりわざわざ顧客発掘から始める必要もなく、潜在的な「熱狂的な支持者」=卒業生=を保有しているのです。

勿論、潜在的な支持者を育成し、熱狂的な支持者にすること自体も決して簡単ではありません。ターゲットは明確ですので、興味→信用→信頼→共感そして支持者へのプロセスを各フェーズにおいて施策を講じますが、自前化では無理があるので、外部連携が必須だと言えます。

今回はその支持者作りでも「らしさ」を如何に出していくかについてお話しします。

熱烈な支持者獲得には「らしさ」が大切!

 慶應義塾大学は在学生・教職員・卒業生を包含して福沢諭吉の言葉から「社中協力」というキーワードで母校愛を鼓舞し「慶應らしさ」を演出します。東洋大学は開祖井上円了が残した名言で、今の時代により一層栄える東洋大学の心である「他者のために自己を磨く」が浸透し、このワードで一丸となります。

更にこれは凄いなぁと感心するのが躍進目覚ましい明治大学です。明治大学は同様の意味で伝統ある「同心協力」の言葉に加え、150周年に向け更なる進化を目指す「MEIJI VISION150」にコンセプトとして「前へ」を掲げました。

「前へ」は、明治大学ラグビーを躍進させた名物の元監督である北島忠治氏が説いたもので、まさに明治大学卒業生なら誰もが知る「明治大学らしい」合言葉なのです。

とにかく“前へ”。

ためらわずに“前へ”進め。

それはつらく長い道のりかもしれないが

ゴールへの最も近い道であると僕は確信している。

 支持者は理屈に加え、心を揺さぶる共感によって支持者化します。単なるGIVE&TAKEや派手なイベントは一過性に過ぎず、各大学が持つ「らしさ」をシナリオ化して訴求することは大変効果があるのです。

支持者化するためのプロセスや仕組み化にご興味がある方は、是非お気軽にご相談ください。