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共感の物語がないアルムナイは衰退する

「物語」が持つコミュニケーションの広がり

先日あるマーケティング情報サイトで、飲料メーカーの子会社が主催した、推し活から生まれた「物語」を表彰するイベントについて紹介していました。

もう少し具体的な内容を見ようと、企業のサイトを見てみると、施設、クラブ、自治体向けに立ち上げたJリーグ応援プロジェクトで、マーケティングサイトはこの中から高齢者施設の活動を取り上げていました。「Jリーグサポーターに高齢者?」と、まさかの発想との出会いです。確かに健康食品といえば高齢者層が大きなターゲットですが・・・

普段は支えられる場面が多い高齢者施設に暮らす人たちが、サッカーチームのサポーター、すなわち支える存在になることで、人生100年時代にもっと輝ける生き方を目指すというもので、2024年末時点で全国約230施設が参加しており、延べ1万人が参加しています※1

もちろん施設のスタッフ含め全員がサッカーのルールを知っているわけではありません。応援グッズを作ったり、試合を見て応援を続けていたら夢中になり、推しができて、コミュニケーションが生まれ、結果、一人一人が元気になっていくという好循環が生まれる様子が描かれていました。

更にはそこから生まれた感動的な物語を募集し、アワードを開催するなど、ある意味壮大ともいえるプロジェクトとして存在しています。プロジェクトの推進を支援している外部パートナーも参加施設を訪れて多くのエピソードを伺ったそうですが、「こんなに良いストーリーがたくさんあるのなら、シェアできるように形にしよう※2」と生まれたのが物語大賞とのこと。

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ポイントはプロジェクトの先にある「物語」に気づけるか

ここまで読んで、ただの応援プロジェクトじゃないの?と思ってしまったあなた!視点はそこではありません。このプロジェクトにはいくつかの「物語」が潜んでおり、様々な感情や共感が重なり合ったからこそ、成功しているのだということに気が付かないといけません。もちろん、プロジェクト自体を常にブラッシュアップし、運用する側の熱量も必要になりますので、緻密さも必要になってきます。

つまり、プロジェクトを企画する際には、目的や目標値、実行力など基本的な要素は必要になりますが、ゴールまでの物語にどこまでリアリティのあるシナリオが描かれているか、がポイントになるということなのです。

これまでに、いくつかの大学様や卒業生組織で年度の実行計画についてお話を伺う機会がありましたが、物語とシナリオがしっかり立てられているところは勢いがあり、協力者も拡大傾向にあります。逆に他大学の成功事例をまねるだけで、オリジナリティ要素やストーリー性が弱いと、迷走傾向にあるのも事実。

だからと言ってこれ以上どうすればいいのかわからない。他大学の事例ばかり気になってしまう!というような思考停止状態に陥った時こそ使いたいのが、生成AIと外部パートナーです。

生成AIの活用方法として、まず課題を整理します。プロンプトの設定次第では、様々な推論結果が出てきますので、そこから外部パートナーの斬新な目線を借りてオリジナリティにつなげていくことが可能になります。

AIを過剰に信用することは危険ではありますが、「深みのあるヒントを得る」という意味では、時間の短縮になりますし、次のステップに移るにも進みやすくなります。

ただ、ストーリーやシナリオのヒントになりうるプロンプトの設定は意外と工夫がいるものです。シナリオ設計に5人のスタッフがいたとして、同時にそれぞれの言語で調べると、異なる推論結果が5種類以上出てくるはずです。そこからさらにブラッシュアップすれば企画にもさらに深みが出て来るでしょう。「ひとまずイベント」に頼らず、共感の物語を紡ぐ支援ができる外部パートナーもうまく使いたいところです。

もし、あなたの組織を本来の目的に沿って、単なる親睦団体化から脱却し、様々な年代の卒業生を熱狂させたいと思われたら、迷わずご相談ください。

参考サイト

日経クロストレンド「物語の活かし方」

サントリーウェルネス株式会社 Beサポ!「人生100年時代の物語大賞」
https://www.suntory-kenko.com/besupporters/#modal

※印の文章の一部は上記サイトより引用しています。