2026年大学経営の「決断」が命運を分ける
2026年の新春を迎え、年末に示された文部科学省令和8年度予算案に示された通り、大学経営を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。少子化の加速により、従来の「学費依存型」の収益モデルは限界を迎えつつあります。
今、大学市場で起きているのは、ステークホルダーを「資産」に変えられた大学と、そうでない大学の圧倒的な格差です。早稲田大学や慶應義塾大学といった先行校は、卒業生、企業、保護者を単なる「支援者」ではなく、大学と共に価値を創出する「共創パートナー」としてネットワーク化することに成功しています。
一方で、多くの大学では依然として、卒業生組織、保護者組織、そして産学連携を通信とした企業群に対して、あまり読まれない会報誌発行や形式的な会合といった「点」のコミュニケーションに時間を費やしています。これでは、大学の構造改革を支える大きな力にはなり得ません。この停滞を打ち破り、持続可能な経営基盤を構築するために必要なもの。それは、緻密な計画以上に、経営トップの「決断」に他なりません。

松下幸之助が説く「早く決める人」の3つの流儀
日本経営の神様、松下幸之助氏はかつて、物事を成し遂げる人の共通点として「うまくいく人ほど早く決めている3つのこと」を挙げました。この教えは、現在の大学改革においても驚くほど本質を突いています。
1.「迷い続けない」と決めている
うまくいく人は迷わない人ではない。迷っても長くそこに居座らない。どこかで『えい』と線を引くその覚悟を先においています。
大学経営において、外部パートナーへのアウトソーシングやステークホルダー戦略への舵切りは、学内の調整や伝統との摩擦を生むかもしれません。しかし、検討に時間を費やしている間にも、他校との差は開いていきます。
「いつかやる」ではなく「今、この瞬間に線を引く」。その覚悟こそが、停滞した組織を動かす最初のエンジンとなります。
2.「完璧を待たない」
十分に整ってから動こうとすると時だけが過ぎていく。6割でまず動く。足りんもんは動きながら整える。これが流れに乗る人の感覚です。
「校友会が納得しないから」「学内の理解が100%得られていないから」と、完璧な準備を待っていては、チャンスは逃げていきます。まずは6割の完成度でスタートし、走りながら最適化していく。外部の知見を取り入れるアウトソーシングという選択肢は、まさに「足りないものを動きながら補完する」ための最短ルートです。
3.「決めた後は疑わない」
決めた後に何度も考え直すと力が散ってしまう。決めたら一度は信じて進む。その姿勢が、運と人を引き寄せていきます。
「この戦略で本当に良かったのか」という迷いは、現場に伝播し、プロジェクトの熱量を奪います。一度ステークホルダーとの共創へと舵を切ったならば、その可能性を信じ抜くこと。その一貫した姿勢が、卒業生や企業の共感を生み、強力なネットワークを構築する磁力となります。

外部パートナーとの提携が、構造改革の「レバレッジ」になる
松下氏が説いた「決断」は、特別な才能ではありません。一歩踏み出すスピードの差です。私たちSCNSは、大学のステークホルダー(卒業生・企業・保護者)を活性化し、大学経営を支える強固な基盤へと変革する専門集団です。
大学内部のリソースだけで、これまでの「親睦」という枠組みを超え、収益に結びつく「共創」へと転換するのは容易ではありません。だからこそ、外部の専門的な視点と実行力にアウトソーシングすることが、構造改革を加速させるための有効な戦略となります。
「自前主義」にこだわり、時間を失うのか。それとも、外部パートナーの力を借りて、一気に「勝ち組」への分岐点を越えるのか。
2026年、貴学が「自立した収益構造」を持つ大学へと進化するために。今こそ、慣習を捨て、未来に向けた「決断」を下す時です。SCNSは、その決断を確かな成果へとつなげる伴走者として、貴学と共に歩む準備ができています。
本年も、大学の新たな価値創造に向けて、共に挑戦していきましょう。
【お年玉】ステークホルダー活性化チェックリスト
貴学の「ステークホルダー資産」の現在地を知る 経営層向け10の診断項目
このチェックリストは、貴学のネットワークが「単なる名簿(コスト)」か「経営資源(資産)」かを判定するものです。
診断カテゴリー:基盤・データ
□現役世代(20代〜60代前半)の有効連絡先
卒業生のメールアドレスの把握率が6割を超えているか?
□企業情報の構造化
卒業生が「どの企業の、どの役職にいるか」というキャリア情報を経営に活用できる形で蓄積しているか?
□デジタル対応
会報誌の郵送だけでなく、メルマガ、SNSやアプリ等で双方向のコミュニケーションが日常的に発生しているか?
診断カテゴリー:共創・エンゲージメント
□親睦からの脱却
卒業生組織が「昔話をする場」ではなく、大学の課題解決やプロジェクトを支援する場になっているか?
□ 保護者との連携
保護者を「学費の支払者」としてだけでなく、就職支援や寄付の強力なサポーターとして巻き込めているか?
□企業との多層的関係
特定の共同研究だけでなく、採用、リカレント教育、ネーミングライツ等、多角的な接点があるか?
診断カテゴリー:組織・戦略
□専門性の確保
ステークホルダー戦略を担う部署に、広報・マーケティング・営業の専門スキルを持つ人材が配置されているか?
□KGI/KPIの設定
寄付金額だけでなく、エンゲージメント率や協力企業数など、経営指標としての数値目標を運用しているか?
□学内理解
「ステークホルダーとの共創」が一部の部署だけでなく、教職員全体の共通認識となっているか?
□スピード感
外部の成功事例を取り入れる際、学内調整に1年以上費やしていないか?
診断結果の目安
チェック8個以上: 先進大学です。さらなる収益多様化への深化が必要です。
チェック4 〜 7個:危機的状況。ポテンシャルはあるが、実行力が不足しています。
チェック3個以下: 深刻な学費依存状態。早急な構造改革(決断)が求められます。
