変革の兆しに気づく2022年度
ホームカミングデーの歴史と実情
諸説あるようですが、卒業生支持者獲得に大きく進化を続ける米国で1911年ミズーリ州立大学のアメリカンフットボールのチームがライバル校との試合に卒業生を招待しパレードや激励会などで大変盛り上がったのが発祥とも言われています。日本では、1990年代、つまり平成になってから多くの大学で開催されるようになります。そうです、1990年と言えばアニメ「ちびまる子ちゃん」、TBS長寿ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」が放送開始され、昭仁天皇の即位の礼が挙行された年です。
最も早い取り組みは多分ですが慶應義塾大学だと思います。慶應義塾大学卒業生組織である三田会では、連合三田会大会としては1950年代から開始されており、1964年からは大会幹事制度を導入しています。幹事の役割としては、卒業後30年の塾員が主幹事、卒業後40年がアドバイザー、卒業後10年と20年が大会委員として卒業生が主体的にイベントを開催し、毎年卒業生とその家族2万人が集まる一大イベントを開催しています。実はこの大会、結構綿密に計算されています。
イベント屋さんに「成功させるには期日や予算、告知方法、そして人を集めるための客寄せ企画が大事です・・・」と言われ、ついついその気になって「若手がいっぱい来た」「何千人も参加した」と満足している大学がチラホラ・・・しかし、卒業生向けとは限らないのですが、支持者拡大を目的とするイベントの本質は、ネットワーク強化のきっかけであり大学にとっては如何に母校愛を醸成させるかが大切なのです。
イベント活用がうまい成長企業ではイベントとは、以下の手段に過ぎないと言い切っています。
- 社内の意識をお客様に向けさせて目線を合わせる
- 目的に向かって上昇気流を作る機会
- 参加者の中から組織協力者の発掘
連合三田会では、組織内部固めとして有料参加チケットを傘下組織が裁くことによるコミュニケーションの徹底を図り、大学戦略支援に向けた機運を高める仕掛けを行い、次世代の後継者基盤を固めているからこそ、大規模なイベント化を結果として実施しているのです。
しかし残念ながら、ホームカミングデーをネットワーク強化の一手段として捉えず、開催後にイベント実施報告だけで「Withコロナでよくやったね」の自己満足。何故、参加者をネットワーク化して目標に向けて支持者化していかないのか・・・・「勿体ない」の一言に尽きるのではないでしょうか。
卒業生の声を聴く
最近各大学では、教育の質を高めるためにその成果である卒業生にアンケートを取っています。理系人材に注目が集まる中、秋葉原の電気街を育てたと言われる「東京電機大学」の令和4年卒業生アンケート※では、96%の卒業生が建学の精神について重要だと感じています。
※https://www.dendai.ac.jp/about/tdu/activities/enquete/past_graduates_r04.pdf
更に東京電機大学を卒業したことを誇りに思っていらっしゃる卒業生は80%!
多分各大学によりその数値は異なる点も多少はあるでしょうが、当社が把握している範囲では
- 母校出身であることを誇りに思いたい卒業生は圧倒的
よく言われる第一志望が少ないとかは関係なく、4~6年通った母校への愛着は強く、問題はその気持ちをどう表出化させるか。
- 母校との繋がり、校友とのつながりはWelcome
ただし、すでにお分かりの方は多いと思いますが、ここにはコミュニケーション手段と提供価値に秘訣があります。それはイベントではなく、そして参加するための特典ではないことだけは申し添えておきます。
イベント中心からネットワーク強化中心へ
「せっかくオンラインの便利さが享受できたのに。コロナ=オンラインじゃないのだが」「集まってもまた飲み会?」「有名人さえ呼べば人が集まると思っているのかな、Youtubeで十分」そんな若年層、中堅層の声に耳を傾けず、経験則から繰り返される集客=イベント=著名人発想は転換期を迎えているのではないでしょうか?
距離の壁、時間の壁、そして迅速性を兼ね備えたICTネットワークコミュニケーションは課題を解決できるところまで来ています。
具体的な成果を出すために一歩踏み出してみたいと思われたら、是非お気軽にお声がけください。お待ちしています(^^)/