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流れは大きく変わった?

大学TOPの方がポツリ・・・

緊急事態宣言も明け、久しぶりに面談の機会がありました。その際、TOPの方が「理事会で実業界理事から『10年先を見据えた時に、今の改革スピードでは若者にそっぽを向かれる事は想定されるのでは?二番煎じならまだしも、うちの大学はこれ!と言った特色も出せていない。』という話がでたが、私にもそれなりの考えはあるんだけどね・・・」とポツリ。そんな理事会の様子をお聞かせ頂きました。

実業界では、異常気象と言えば良いのか温暖化と言えば良いのか解りませんが、パンデミックと併せて、組織の勝ち組と負け組が鮮烈に浮かび上がっています。更に10月の衆議院選挙で若年層の考え方も明らかになり、批判色があまりに強い旧態依然とした組織に対してNoを突きつけたのは記憶の新しいところです。

また、コロナ禍に伴う在宅勤務者を含め、人事評価が難しくなったとITリテラシーの低い幹部をよそに、ICT化による在宅勤務の継続支持が圧倒的で、11月5日の日経新聞経営調査でも「在宅勤務などの恒久化8割」の見出しは衝撃的でした。緊急事態宣言が明けた途端に高齢化した卒業生組織では「ワクチンも打ったし、沈静化して来たのだから集まってもよかろう」という考えからは一線を画す動きと言えます。

参考:日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77282070V01C21A1MM8000/

変化に対応する実業界、残念な卒業生組織

 皆さんご存知の通り、コロナ禍の影響は身近な飲食業や観光業主体に大きな打撃を与えました。それ以上に問題なのは、グローバル面で被害を拡大させたのが温暖化影響と言われる気候変動による被害です。

国内ではじゃがいもの不作がポテトチップの値上げに影響していますが、経済活動の再開による原油価格の値上げ、そして干ばつや異常気象による酪農・農業に与えた被害は甚大なものになっています。そのような劇的な変化でも勝ち組の組織には共通点があり、実業界や教育機関、そして卒業生組織や保護者組織でも共通していると思います。

1. 社会的価値

このような環境下で生き残る組織は、提供価値に社会貢献性があり、従業員の満足度が高く、下請け虐め等はもっての他といった社会的価値が高く、株価にも影響しています。大学でもSDGsに注力し、卒業生組織が単なる親睦団体ではなく、かつ会員から集めた会費の一部を大学支援に充てるだけでもないなど、大学と一体となった大学支援のボランティア事業に力点を置き始めているものと思います。

2. 柔軟なネットワーク

実業界では、ここ数年生じた破壊的変化に対応できる調達やデリバリー、そしてサービス提供に柔軟に対応できた組織が勝ち組になっているのは御高承の通り。これを卒業生組織に当てはめると、卒業生とのネットワークが一部会員だけの会合と会報誌に頼っていた組織は不活性化し、いち早くインターネットによるネットワークを取り入れた組織が活性化しています。

3.データ活用

まだまだAIまでいかなくても、データをデジタルとして入手でき、最大限活かした組織は大きく躍進しています。農業分野では、気象、土壌成分、作業状態、成分等をデジタル化して生産性を大きくあげていますし、工作機械のコマツも機械に取り付けたセンサーと通信機器が修理期間を大幅に縮小しただけでなく、より良い製品としてのブランドを確立しました。一方、高齢化で悩む卒業生組織では、若年層の活動傾向やニーズをデータ化しておらず、高齢化した幹部の価値観や常識で、更に若年層が入りにくい組織となっているところも少なくありません。

4.顧客起点のスピード組織

バイトダンスの名前をどこかで聞いたことがある方も多いのでは?中国発動画プラットフォーム「TikTok」です。中国と言うと共産党TOPダウンのイメージがあるかもしれませんが、中国発のベンチャーはビジネスを良く知っています。

ここでは詳しくお話ししませんが、圧倒的な顧客サポートへの投資(顧客ニーズの瞬時での把握)に加え、CEOに続く上位2階層に100人超の幹部を配置した徹底したフラット組織です。民主的かつ非官僚的な組織は圧倒的なスピードで次々と新たな企画を実践し顧客起点ゆえに成功を収めています。

一方、多様性に富まず大先輩が発言力を持つ卒業生組織では、卒業生ニーズは組み入れにくく組織が活性化しないだけでなく、支援先である大学ニーズや在校生ニーズよりも自分達の価値観で支援をしますので、どうしても溝が出てしまい、悪循環が続くケースも散見されます。勿体ないと言わざるを得ません。

事例の内容にギャップを感じた方も多いかもしれません。伝えたいのは、組織の大小ではなく、いかに柔軟に対応できる力があるかどうかということなのです。大きい組織だからできるのは当たり前ということはなく、小さくても大きな力を出せる組織が実際に存在しており、卒業生組織に置き換えても同じことが言えるのです。

明らかに環境は変わりました

インターネットの普及、特にスマートフォンの普及で様々な情報が即座に入手できるようになり、見極める力や情報発信力もコロナ禍がその有用性を顕在化させました。スマート社会はもう誰にも止められないものと思います。

近江商人心得のように「売り手よし、買い手よし、世間よし」のような真理は付言ですが、その手段と実現方法が大きく変わったのだと思います。将来のリスクも、レベルや時間軸に誤差があっても過去の賢人が予測したものが現実化していく中、「今こそ変革に着手する」時期だと痛感しています。

組織の課題を感じておられるのであれば背中を押しますのでお気軽にご相談ください。