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脱ありきたりコミュニケーション!

「旧弊を打破する」以外に残された方法はないのです

マーケティングや経営に関する情報誌や書籍に必ず登場する「コミュニケーションの向上」や「情報共有の重要性」というキーワードに触発されてその通り!と言わんばかりに力を入れた経験はどなたにも1度はあるのではないでしょうか。

これらのキーワードは、非常に使い勝手がよいのですが、実際にどうすればよいのか?と具体的な場面になると、まずは手当たり次第に情報をばらまくという行動に走りがちです。内容が盛りだくさんのメルマガ、学外向け学報誌、有名人に力を借りたイベントは本来の目的から少しずれたコミュニケーションの代表的な例かもしれません。

某有名大学校友会が発信するメールマガジンは、大変綺麗な画面で中身も一生懸命編集されているのですが、その大学の卒業生曰く「毎月メールマガジン何月号と送られてくるけれど、スクロールしてまでみる気にはならないなぁ。メールの画面に映し出された目次で面白そうなものを見つけたときに読む程度」とのこと。少なくとも大学のファンを作るシナリオは見当たりませんでした。時勢に合わせてメールマガジンに着手した視点が良いだけにとても残念です。

実際にメルマガを始めた当初は良いものの、大半が検証もされず、陳腐化し、更にイベントにおいては一過性と検証されても仕方がないものが大半だと思います。でも、やることに意義がある、辞めたら余計に悪くなるとの言い訳から、進化できずに目先を変えて対応しているケースが少なくありません。まさに旧弊を打破しない限り、共感を呼ばないことは既に実社会で実証されてしまっているのです。

共感のメカニズム1:頭の中で蓄積されたデータがヒットを生む

あるコスメブランドで売り出した口紅がヒットを続けており、日経のマーケティングに特化した情報サイトが取り上げ、分析した内容を解説した3分動画をアップロードしていました。ターゲットとなったこの会社では社長自ら企画をしており、市場調査も一切しないのに大ヒット連発!と記事には書かれていました。

本当だろうかと思いながら閲覧してみると、市場調査をしていないのではなく、いわゆる調査といえる活動を個人的にしていたというのが答えのようでした。調査と言うとアンケートや外部リサーチを使うと思いがちですが、そうではありません。ある程度「的」を絞り、その中での変化にすぐに気づくか、そのまま流すかの違いが勝敗を分けます。

実はその社長は毎日SNSを数時間チェックし、そこから気づいたことを企画に取り入れていたのです。つまり、社長の頭のなかで分析につながるデータが出来上がっていると考えられるのです。仮説が確信になるのも早く、企画として成り立ってきますから、ヒットにも繋がるのも納得がいきます。

皆さんもご存知と思いますが、日本マクドナルドの生みの親「藤田田」氏が、世の中の流れを知る為に短い距離をタクシーに乗り、1万円札でお釣りをもらい、その紙幣に新札が増えているかどうかで景気を見ていたのと同じ発想かと思います。身近なところにある貴重なデータを活かすことが共感の第一歩となります。

共感のメカニズム2:「〇〇大学らしさ」が基本

ある卒業生組織では卒業生反応の伸び悩みに悩んでおられました。「どんな情報に反応が良いですか?」とお聞きすると「最近のZ世代は推し活が流行っているので、大学周辺の美味しい店や卒業生の店紹介を開始したのですが、最初は良かったのですが・・・」とのことでした。確かに〇〇大学らしさは出ているのですが、美味しい店を探すのであれば別の情報サイトを見るでしょうし、メリットを出そうにも集客能力がないと、なかなか対応できないのが実情です。この卒業生の店紹介の発想を工夫すれば〇〇大学らしさを出せますが、それは別途ご相談ください。

ここで大事なのは、卒業生が何に反応したかを世代別、男女別に分析したデータと、卒業生組織活性化の戦略とを合わせることが共感を産んでいきます。スポーツに強い大学はスポーツ応援への反応が頷けますが、流通業に多数の卒業生を輩出する大学は、大学研究で「小売業を変えるSNS活用」、ある卒業生ブログで「お客様をファンにする苦闘物語」に好反応が出ますし、建学の精神に代表されるワードなどが好反応をもたらします。

その組み合わせは代表的には「時流」×「大学への帰属意識・母校愛」×「卒業生組織の活動内容(事業)」×「卒業生組織のビジョン・目的・目標」を組み合わせて、その反応をデータ化していきます。また共感を産む特効薬はなく、きちんと共感が生みやすい土壌を耕していくステップを踏まなければならないのですが、それはまた別の機会にお話しできればと思います。

最初に戻りますが、母校への共感の原点は「この成果はうちの大学らしいよ」「この研究成果が出るのは、うちの大学らしく嬉しいね」、つまり〇〇大学らしいなのです。

データを蓄積し、分析しながら、母校のファン化を目指していくことで、大学にとって「卒業生の財産化」、卒業生組織にとって「絆による相互の親睦発展」が成立していくものだと思います。実現を本気で目指す方は、様々な「餅は餅屋」としてのノウハウがありますので、是非お気軽にご相談ください。