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2025年連携が大学の将来性を左右する

相乗効果をあげるビジネス業界の連携常識

既に「洋服の青山」などアパレル販売から、なんと市ヶ谷の三輪田学園ではバーチャル試着制服試着体験に至るまで、ファッションブランドとITテクノロジー企業が連携し、スマホで試着体験が出来る顧客体験を提供して成果を出しています。

アプリがフォーカスされる一方、アプリインストールの面倒さやコンテンツ配信の難しさから苦戦を強いられる中、オンラインストアで直接AR技術を使ったスマホ活用が進んでいます。EC化が進み売上向上に苦戦するファッション業界、AR技術の活用に苦慮していたテクノロジー業界がタッグを組み、「自宅で手軽に試着したい」との顧客課題を解決する連携です。

「ECサイトに埋め込む試着ボタン、推せば10秒で試着開始」https://sally127.co.jp/

上記は身近な事例ですが、既にSociety5.0時代に突入する中、自動車業界は様々な視点での提携が一気に進んでいるのは皆様もご承知の通りです。まさに生き残りをかけ、保険会社と進める事故防止のドラレコ、NTTや富士通と共同で進める車両管理システム、そして自動運転など様々な進化を果たしています。もう各業界で自前主義から、連携による相乗効果こそが成長のカギであることを当たり前としています

どこと連携するか?の前にどのように連携するか?

18歳人口が減少する中、大学の今後の収益構造は確実に変化することを余儀なくされています。大学の本業が、「教育」「研究」「社会貢献」そしてその普及と言われて久しいですが、例えば「大学ランキング2025(朝日新聞出版)」の外部資金ランキングで大阪大学と東北大学の躍進が目立ちます。大阪大学のクラウドファンディング活用は以前もお話しした通り、卒業生向け情報発信を中心に相当な成果をあげています。(https://readyfor.jp/lp/osaka_univ/

民間企業からの産学連携では京大を上回る実績をあげています。

大学ランキング2025(朝日新聞出版)抜粋

ともすると「知名度が違う」とかいう声も耳にしますが、意外と思い込みもあるかもしれません。国立・私立関係なく、外部からの資金獲得には様々な形態がありますが、上位に来る大学にはそれなりの工夫がなされているのです。今回はその一つである東北で気を吐く東北大学の事例をご紹介させてください。

卒業生組織連携が結果を導く

東北大学が2025年1月28日に仙台で講演する「参画連携」イベントがあります。無料でオンライン配信されますのでご興味のある方は、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

~産学連携に貢献する東北大学卒業生組織~
https://www.tfc.tohoku.ac.jp/tfcfund/2024/20250128/

開催概要に明記されている「後援」の個所をご覧ください。東北大学の躍進を支えていると言われる卒業生組織「東北大学萩友会」がバックアップしているのです。Web上で卒業生とのコミュニケーションに注力し、その中でも育まれた卒業生の母校愛が、例えばこの産学連携においても表出化しているのです。

「自分の勤務先で東北大学と連携したら、もっと素晴らしい結果が出せる」「母校の研究力を是非紹介したい」そんな想いがこれらのイベントでも活かされているのです。つまり卒業生組織の本来目的である「母校の貢献を通じて、親睦や人脈形成が図れるとともに、参加した人たちが成長する」がきちんと組織化されているのです。

実社会連携と実践知の宝庫である卒業生連携が成長の鍵

今回は産学連携についてお話ししましたが、大学環境に厳しさが増す中で、社会人教育市場、産学連携等科研費の獲得、教育研究の支援獲得、寄付金いずれも卒業生組織が本来の目的に対して目覚め、大学と一体となっている大学が、間違いなく競争優位を構築していくと思います。

未だ「うちの組織はまだ無理」とか「卒業生組織は親睦第一」などと言っている卒業生組織は、気がつくと自慢の母校が衰退する様を見ることになるかもしれません。同じく大学も「うちはそこまで期待できないし」「卒業生組織は文句ばかり言ってくるんだよな」などと言っていると、いつの間にか他校との差が広がるかもしれません。

卒業生は教育の証であるとともに、潜在的な母校愛を持つ大切な財産であることに気づかれましたら、ゆでガエル化の前に是非お気軽にお声掛けください。