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若手活性の卒業生組織が大学を救う

前置きとして令和7年「私立大学等改革総合支援事業」
~2040年定員充足率70%台で見えてきた特色無き大学の淘汰~

 いよいよ「うちは大丈夫」「急な転換は無理」「教員がついてこない」等の言葉が通じない時代が来ています。イノベーションにチャレンジし発展するか、縮小・撤退を放置するのかの決断が迫られているのです。

理系は就職に強いから理系大学は大丈夫、歴史と伝統があるから、首都圏にいるから大丈夫と自分達に都合の良いデータを集めて、改革を先延ばししていると、ビジネス社会同様、いつの間にか衰退の一途を辿る現実が見えてきているようです。それを前提に「何故卒業生組織との連携が必要か」、そしてその「卒業生組織が活性化する必要があるか」を僭越ながら少しだけお話しさせてください。

【文科省事業概要】
未来を⽀える⼈材を育む特⾊ある教育の推進や⾼度研究を実現する体制・環境の構築、地域と連携した取組や⼤学間や⾃治体等とのプラットフォーム形成等を通じた地域社会への貢献、産学連携の強化等を通じた社会実装の推進など、⾃らの特⾊・強みや役割の明確化・伸⻑に向けた改⾰に全学的・組織的に取り組む⼤学等を重点的に⽀援する。(要はチャレンジして独自性が出せなければ連携を強化し、それが出来なければ撤退を促す方針)

【文科省高等教育局:令和7年度予算案・私学助成関係の説明】
https://www.mext.go.jp/content/20250116-ope_dev03-000039564_10.pdf

卒業生組織が活性化している大学は強い
~現実的に進めるには連携が不可欠~

産学連携を例にお話ししますと、投資する企業は「知名度:権威」や「他にはない類まれなる研究力」がある大学には、産学連携の話を進めようとするでしょう。しかし、そのような突出したものは数多くありません。

また、産学連携に熱心な大学では一定数の人数を確保し、営業から契約締結に至るまでを組織・仕組み化して対応していますが、これも外部接点を拡大するのに限界があることを否定できないと思います。

卓越した営業力について解説する必要はないと思いますが、営業は顧客接点の確保から始まり、飛び込みセールスや多大な広告は生産性が悪く、紹介と言う手段がとても効率的と言えます。現に理事長、学長の人脈が広い大学では、TOPセールスで成果をあげているのも納得がいきます。

この紹介を増やすのに最も大きな力を発揮してくれるのが、母校愛を持ち、企業側の事情と母校の事情を理解している「卒業生」であることは海外でも立証されています。

仮に卒業生に対して共同研究の有効性情報を流しても、卒業生組織が活性化して「母校に貢献する」姿勢が顕在化していなければ成果は出ないのです。そして活性化している卒業生組織は、単発的なイベント、極僅かな参画者ではなく、若手が参画し、その若手から「参加して良かった。自分が成長する良い機会になった」との声が聞こえる組織でなくてはならないのです。 

活性化しているか否かはイベントの集客数ではなく、卒業生組織への参画者が

・卒業生同士、在学生との交わりが刺激となり、自身の奮起に繋がる。

・今までと違う視点で実践知を得ることが出来、成長が実感できる。

・自らが在学生や卒業生同士に貢献したことで清々しさに満たされる。

と言った声が聞こえるか否かなのです。

東洋大学理事長の名言「砥石理論」

最近、日経ビジネス特集「昭和100年の教訓~栄光と停滞、30人の証言」で厳しさとスピード感が欠けていたことを金融バブル時代に振り返り話題となっている東洋大学の安齋理事長が、一般社団法人東洋大学校友会130周年のスピーチで校友会の本質を語っていらっしゃるので、ご紹介いたします。

”会長改革宣言を受け、来賓である安齋東洋大学理事長から参加者へ「校友会創設時の大先輩たちの気持ちに思いを馳せて欲しい」と切り出されます。「社会人になり荒波に揉まれる中、卒業生同士の絆は相互に切磋琢磨して新たな刺激を与えてくれたはず。次の10年、その先の10年とお互いに新たな挑戦をし、工夫をしていく。

そして気づくのです。変化しなければ進化がないことに。活動の中で奮闘する東洋大学卒業生は、様々な分野において、一生懸命砥石で磨くように研ぎ澄まされ進化する。それが東洋大学の誇りなのです。」改めて東洋大学の卒業生で良かったと感じる瞬間でした。”

一般社団法人東洋大学校友会HP抜粋
https://www.alumni-toyo.jp/news/toyoalumni-091/

 

【結論~若年層が母校支援に参画するにはまず第一に】
参画者が成長・進化を実感できる組織風土があること

次の世代を担う若年層が参画する凄い卒業生組織の第一歩は、単なる親睦組織ではない組織風土づくりが第一歩です。そのために、卒業生組織のコミュニケーション手段、活動内容、組織形態、ビジョンの作り方などの策を講じていくのですが、それはまた別の機会にお話ししてみたいと思います。

もし、あなたの大学卒業生組織が大学にとっての最大支持者集団としていきたいのであれば、是非気軽にご相談ください。