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今の組織で大丈夫か?の診断

改革に成功する組織

古くは銀塩のフイルムがデジタル化され本業が消滅する危機に直面し、自らの強みであり全ての商材の化学式を分解できると豪語していた化学力から、医療・健康製品・化粧品への大転換を果たした富士フイルムが代表的な事例です。

最近では、商機を逃さずモバイルオーダー、家族向けクーポンでV字回復したマクドナルドを筆頭に、2010年に経営破綻し再上場を果たし正月の羽田事故で乗務員の見事な誘導で名を挙げ「リーダー教育」に注力したJAL、安いだけでなく「リーズナブルでハイクオリティ」に転換を行った良品計画、そして「理屈じゃねぇんだよ」の立川志の輔師匠CMで本物を伝える龍角散は、老舗ブランドのおごりと危機感の欠如払拭に見事に成功しています。

いずれも瀕死の状態で、組織の腐食化に対して大胆な改革に成功したと言えます。では、その兆候に早めに気付けるでしょうか?

妨害する古い思考回路(要確認項目)

実は冷静になって考えれば当たり前のことなのですが、古式ゆかしき思考回路が邪魔をして組織が衰退するサインを見逃すケースが多々あるようです。もし、以下の意見や兆候が組織内で出ているようでしたら・・・・

①コストカットからの縮小再生産

無駄を省く、集中と選択を誤って「経費の無駄遣いはダメだ」「人件費をカットしろ」「下請けに負担を強いろ」と勘違いして、縮小再生産に陥る組織は意外と多いのです。

このような組織はだいたいパートナー企業から悪評が蔓延しはじめ、連携による効果が得られないだけでなく、まさに「貧すれば鈍する」状態に陥ります。

②内製化志向と自前主義

不確実性の時代、かつスピードが要求される時代環境では、過去のように内製化によるコスト削減、業務ノウハウの蓄積等は極めて困難になっています。保険の代理店業を行う、不動産の紹介業或いはコンビニを運営するなど資格取得等によって単純に行えるものは内製化しても良いのですが、「餅は餅屋」で専門的なノウハウが必要な分野において内製化を行うことは、即座に出遅れと質の低下を招き効果が全くでないケースが大半です。

③「まだ何とかなる」将来市場の変化スピードを甘く見る

少子高齢化が予測できても、今の日本のように一気に人手不足が表出化するとは思っていなかった・・・これからの日本は明らかに能力が劣る人は高い所得を得ることが出来ないですし、AIで出来ることによって消える職種も明らかではないでしょうか?大学経営においては寄付、外部研究費、そして社会人教育市場からの収入が増加しなければどうなるか、従来の資格中心の士業がAI時代に対応できる教育をどうするか、卒業生組織であれば従来通りの傘下組織への支援費用に多大なコストをかけているのであればどうなるのか・・・等は明らかなはずです。

④新しい人が参画しない

一つ視点を変えると、職員で有能でチャレンジングな人材が増えているか?卒業生組織においては新たな会員が増えて高齢化に歯止めがかかっているかを見れば、その組織がわかると言われています。新たな能力ある或いは高い見識を持つ人が参画しない組織自体が魅力のない組織であることに気付くべきでしょう。

⑤財産をネットワーク化しない

縮小再生産思考の組織では、足元の財産であるネットワークにすら気づいていません。大学にとって支持者たる卒業生、企業群は財産なのですが、卒業生にはホームカミングデイなどのイベントと会報誌程度のコミュニケーション、卒業生組織は在学生から集めた会費で寄付を行い、僅かな奨学金を出す程度の貢献では、双方共にハッピーではないのではないでしょうか。この点は別の機会にお話しします。

改善と改革の違い

これからの世の中では改善は当たり前、本質的な転換=改革が必要とされることを明確に方針として打ち出せるかが大きなカギとなります。既に事例として、先行する大学が明確な方針を打ち出しており、環境理解から目的を明確にするだけでなく、実現に向けた連携がきちんと計算されているようです。

いずれも単なる改善ではなく、まさに改革姿勢を明確に打ち出しており、「そんなに簡単には出来ないだろう」との声をよそにチャレンジされています。

もし、改革に着手されるにあたり、出来ない理由を語るのではなく、実行する為にどうしたら良いかお悩みの場合は、まずはお気軽に相談ください。決して無駄な時間にはならないと思います(^^)/