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「決める」ための思考への転換

コロナ禍後の大学市場

一昨年から着目されているリカレント教育に代表されるリカレント教育、AIの日常化、DXの本来の意味がようやく理解され、理系人材不足の顕在化、もうだれも疑わなくなった気候変動とGXの本質とその取り組みなど、大学における環境は著しく変化しています。

先日、昼食時に隣の席に座った某大手企業の役員が店主に「久しぶり。最近仕事をする振りだけでは生きていけなくなってさ。結構忙しいんだ。入社式なんかも様変わりで新卒半分、中途入社半分で会社教育も雰囲気も様変わり・・・」と時代背景を如実に語る話をしていました。この環境変化に対して、各大学のHPを見るだけでも取り組みに大きな差が出ているように感じざるを得ません。

昨年末に芝浦工業大学と実践女子大学・実践女子学園中学校高等学校が連携協定を締結が発表されましたが、2027年創立100周年には女子学生比率30%を目指す芝浦工業大学、実践女子大学への進学率が20%を切る付属高校、女子大として文理横断・グローバルでの魅力を増大させたい実践女子大学、双方の目的が合致した提携かつ、時代環境に対応した決定なのではないでしょうか。

ここ数年、大学市場だけの話ではないと思うのですが、「決める」「挑戦する」を実行している組織と、躊躇してなかなか進まない組織の差が明確になってきているような気がします。

進化を妨げる「変えたくない心理」

大学の卒業生組織も大きく変化しているのですが、一方で卒業生組織の存在意義は?と疑いたくなる組織もあります。大半の卒業生組織は、母校の発展への寄与と卒業生の親睦を掲げていますが、形式的な大学支援にとどまり「親睦が大事」と外から見ると単なる親睦団体化しているケースが、まさに存在意義を見失っている組織と言えるのではないでしょうか。

「親睦は大事」「身の丈に合った母校支援や活動」の一般論がもたらす弊害は如実であり、パーパス経営や目的意識が最優先化されている現役世代にとっては、参加する意味が全く見いだせないのです。新橋のサラリーマンに聞く街頭インタビューでも若い人は口を揃えて「上司との飲み会が相互理解の場ならいいのですが、単なる親睦、説教、仕事の延長なら絶対に行きたくありません」という声を、皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。

心理学的には「同調効果」「感情デフォルト反応(根拠や事実よりも感情に反応する)」とも言われますが、もし、以下にあるような言葉が出る組織は、早急な改革着手が必要かもしれません。

①「今のままで良い」・・・・・・持続可能な発展の意味わかりますか?

②「じっくり検討」・・・・・・・いつまで検討?

③「まだその時期ではない」・・・理由はなく出る言葉では?

④「お金がかかる」・・・・・・・投資なくして成長なしでは?

⑤「昔同じようなことをやった」・その時に失敗した検証は大半がない。

⑥「身の丈に合った」・・・・・・自身の居心地が良いだけでは?

今、進化している組織ではご法度な言葉が聞こえてきます。そんな反応に対応するために「クリア・シンキング」が必要であり、まず「強さを磨く」ことが求められるのです。

クリア・シンキング(明晰な思考)の初歩~強さを磨く

よく改革には苦労が尽きないとの話を耳にしますが、前述の変化を拒む人達の抵抗は、予想を上回ることが往々にしてあります。しかしながら一方では、改革の上進化する組織ではクリア・シンキングの基本と言える強さが磨かれた方がおられます。今回はそのポイントをお伝えできればと思います。

「4つの強さ」

①自分に責任を持つ
能力や行動に対する責任を持つことです。自分の組織に能力が不足している部分をアウトソーシングするのも、責任を持つからこそできる事なのです。

②自分を知る
自分、そして自分の組織に何が出来、何が出来ないのかを客観的に知ることです。

③自分をコントロールする(これが最も大事)
現状を維持したい人は、本質を伴わない感情論や一般論、例えば「議論が足りない」「世間はそうは見ない」などによって妨害をします。最近では、Youtubeで奇跡的な再生回数を誇る安芸高田市の改革石丸市長VS旧態依然とした議員で有名になりましたが、改革拒否派はストローマン論法まで飛び出し邪魔をします。未成熟な組織では改革派が、これら勢力を恐れてしまい諦めてしまうのです。ゆえにこれらに対して毅然とした「恐れ」「感情」を抑えた対応が必要となります。

④自信を持つ
客観的に自らが正しいことを行っており、その能力を信じることです。特に自らが行う改革が大学にとって、校友にとって価値があることだと認識する軸をしっかり持たなくてはなりません。

※ストローマン論法
ストローマンとは、相手の意見を正しく引用せず、捻じ曲げて引用し、それに反論するという論法です。日本語で「藁人形論法」や「かかし論法」ということもあります。

これらの強さを基盤として、正しい判断の確率を高め、不本意な結果を抑える思考法と言われる「クリア・シンキング」の決断のプロセスに向かうのです。

もし、この続きに興味があるとの返信があれば、決断のプロセスについて解説してみたいと思います。また、組織運営等でお悩みがあれば遠慮なくご相談ください。