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卒業生の寄与が大学ブランドを支える

連携は進化の必需品

今から20年前2003年ハーバード大学経営大学院のヘンリー・チェスブローが提唱した「オープンイノベーション」は、今や進化する為に当たり前の考え方になっていると思います。製品開発や技術改革、研究開発や組織改革などにおいて、自組織以外・機関などが持つ知識や技術を取り込んで自前主義からの脱却を図れない組織は滅ぶとも言われています。

そのことを所与の事実として、進化する大学は戦略的、意図的に産学連携に象徴されるように外部連携を強化しています。その外部と言うのは、企業、行政、他大学だけでなく、実践知を豊富に持ち「母校愛」によって熱烈な支持者となりえる卒業生が大変大きな存在なのです。

明治大学は創立時より育んできた「同心協力」。そして近年「明治はひとつ」を前面に押し出し『MEIJI VISION 150』の大学経営の項目重点に「校友との連携強化」を打ち出しています。慶應義塾大学は学生を塾生、卒業生を塾員、これに教職員や協力者を加えて社中と称し「社中協力」の精神を徹底します。

東京理科大学は中期計画2026内で社会人教育市場を睨み、リカレント教育支援と同窓との連携強化を前面に打ち出し、文科省が見本とすべき大学と称するほどの実効性をあげています。

早稲田大学は更に野心的と言えます。会費を支払う卒業生会員(終身ではなく卒業後10年)の更新率を大幅にあげ、具体的な数値目標を置くだけでなく、「従来のコミュニティに加えて、これまでの結集軸とは異なる新機軸のコミュニティの形成を支援することにより、大学のステークホルダーの有する多様なエネルギーを結集し、新たな早稲田ファミリーの形成を図る」としてネットワークの拡大を目指しているのです。

ランキングメーカーも卒業生パワーに着目

Times Higher Education(THE:タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)は大学ブランドのコンサルティングを実施していることは有名ですが、その手法の一部をウェブサイトに披露しています。

勿論、ランキングの内、教育成果の半分に該当する8%を(株)日経HRによる「企業の人事担当者から見た大学のイメージ調査」を行い、卒業生の活躍を多面的に評価しています。この傾向はQSでも同様です。

まず大学ブランドの課題を発見するのに下記4つのカテゴリーで調査をしているようですが、その中の「内部」「学生募集」の項目で卒業生に着目しています。


https://www.timeshighereducation.com/our-solutions/consultancy/brand-transformation-framework (訳はSCNS)

少子化が顕在化している今、従来の手法にお金を費やしても受験生の増加は困難になってきたという声を良く耳にします。ネットに情報が混在する中で、口コミは重要視されていますが、卒業生の活躍は拡散しやすいだけでなく、卒業生自身が自信を持って進めれば、信用しえるウインザー効果も期待できるのではないでしょうか。

卒業生の支持者化に最も重要なのはコミュニケーション

冒頭で卒業生が大学のパワーとなっている大学をご紹介しましたが、戦略的な位置づけ設定に加え、重要なのは卒業生とのコミュニケーションではないでしょうか。

国立大学でも卒業生ネットワークに着目し、大阪大学はクラウドファンディングで大きな成果を挙げていますし、東北大学とその同窓会組織萩友会(しゅうゆうかい)は、昨年より大胆なコミュニケーションネットワークを拡大しています。

そして東北大学のファン化にむけて、母校を知る情報、大学や在校生を支援する情報、リカレント教育を中心に卒業生支援情報、そして同窓会活動情報等について積極的なコミュニケーションを行っています。

東北大学萩友会 https://shuyukai-tohoku-u.net/

専攻している大学は共通してイベント重視から脱却し、積極的なコミュニケーション、それも卒業生をファン化するコミュニケーションを仕組化しています。この世界も大変奥の深いマーケティングの世界になりますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。