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卒業生を育てるって何?

リードナーチャリングってご存知ですか?

マーケティング用語である「リードナーチャリング(Lead Nurturing)」のリード(Lead)は「見込客」、ナーチャリング(Nurturing)は「育てる」ことを意味します。

最近、IT企業でよく顧客開拓の手法としてNECや基幹系システムで有名なSAP社などが成果を収めていますが、これは何も最近の手法でも何でもないと思っています(単にITを駆使し、TVでよくCMを始めている上戸彩を起用したSATORIや第7世代のお笑い芸人霜降り明星を起用したB-dashなどのマーケティングオートメーションが普及したので、再度着目されています)。

マクドナルドが子供を遊ばせる小さい遊園地を店内に作ったり、子供におもちゃをセットしたり、財布を握る親をターゲットにするだけでなく、子供たちが大きくなってもマクドナルドのファンになるように、あの手この手を使うのも、お客様を育てることなのです。実は私もフライドポテトはいまだにマクドナルドが一番おいしいと思いこまされています(笑)

これらは見込み客(ある時は一見客、ある時は単なる資料請求者)から購入客へと導き、継続顧客から熱烈なファンに変えていく王道と言えます。一般のビジネスでは、この見込み客を見つけることにイベントやセミナー、CMなど大変苦労するのです。

卒業生を育てる?

大学にとって、Alumniにとって、卒業生が活性化し、卒業生組織の活動に積極的に参加し、大学の圧倒的な支持者(贔屓の引き倒しはご勘弁ですが)になることを誰もが望んでいるはずです。

しかしながら、若手の卒業生の大半は「同窓会?校友会?なんかあるみたいですが」「会合とかあるみたいですがあまり出たくないですね」といった意見が大半の一方で、卒業生組織や大学の方は「昔の卒業生程若い人には熱気がない」そして必ず「どこかの大学と違って帰属意識が低い」と言われます。うちの大学は卒業生の結束が高いですよと言われる大学でも卒業生からの直接寄付は意外と少ないものです。

一言でいうと「勿体ない」のではないでしょうか?

そうなんです。卒業生となる見込客は在校生なのですから、在校生の内から大学のファンになる為の仕掛けをしておけば良いのです。ビジネスの世界から見たら、こんなに羨ましい環境はないのですから。

ちなみに、どんな素晴らしい大学であろうとも全員をファンにできる程世の中は甘くありません。今寄付を募ったとして全卒業生の何%が協力してくれるでしょうか?また、うちのホームカミングデーには卒業生が大勢来るといった場合の割合や、卒業生組織の会合に会費を納入している会員のうち何%の人が参画しているのか?など、卒業生を宝と考えるならば、客観的に卒業生の支持率を把握することから始めなければなりません。

 

在校生から卒業を見込んで帰属意識を育てるには

卒業生の方に母校は好きですか?と聞くと意外と低い回答もありますが、「母校を誇りに思いたいですか?」と聞くと大半の方がYesと答えてくれるものです。そんな潜在ニーズがある卒業生を、在校生時代からファンにしていくには、まず大学自体の学生に対する愛情であり、教育・研究の質であることは言うまでもありません。その点は私共のような素人がお話しする領域ではありません。しかし、卒業後を睨んで卒業生組織に加入したほうが良いと思わせる企画をきちんと実施している大学は少ないと思います。

貴方は卒業時に卒業生組織からもらっていたかもしれない記念品を覚えていますか?奨学金を貰った学生が、卒業生組織がどんなことをしているかパンフレットを配布しただけで覚えていると思いますか?在校生時代に「私も卒業したら卒業生組織に加入したい」と思ったことはありますか?

私は体育会だったので、夏合宿の際に必ず桃やミカンの缶詰を差し入れしてくれた先輩は覚えていますが、卒業生組織が何をしているのかを全く知りませんでした。残念ながら、道場に来て、叱咤激励する怖い先輩の印象と缶詰しかありません(苦笑)。

若い世代には若い世代向けの情報提供の方法や、印象付けの方法があるのです。震災のボランティアにしろ、ワクチンの予約代行をする学生にしろ、若い人達が多く参加しており、彼等には彼らなりの価値観があります。決して冷めてはいません。そこをきちんと理解して、つぼを刺激してこそ母校愛が醸成され、卒業後のファンにすることが出来るのではないでしょうか。

その手法等にお困りでしたら遠慮なくご相談ください。